メロンが萎凋病になるとどのような症状が出ますか？

メロンの萎凋病は葉や株に萎れを生じさせ、収穫近くになると枯れてしまいます

メロン萎凋病の原因

メロン栽培では交配後頃から収穫期にかけて、葉や株に萎れを生じ、一旦持ち直すものの、収穫近くになって枯れてしまう症状が発生します。

この原因としては土壌病原菌やセンチュウによる病害、不適切な栽培管理が考えられます。

ここでは土壌病害に焦点を当ててご紹介します。

萎凋病の基本情報についてはこちらをご覧ください
「萎凋病とは？原因や症状について詳しく知りたいです」

メロン萎凋症状に関連する病害

メロン萎凋症状に関与する土壌病害は以下のとおりです。

・黒点根腐れ病
・紅色根腐病
・ホモプシス根腐れ病
・根腐萎凋病

メロン萎凋病の発生時期

メロンの萎凋症状を発生させる病原菌はMonosporascus cannonballusやFusarium oxysporum f. sp. melonis、Phomopsis sclerotioidesのようなカビです。

これらは高温多湿を好むため、地温が20℃を超える梅雨時期から夏にかけて発生しやすいです。

メロン萎凋病の発生原因

これらの病原菌は土壌中で長期間生残するため、前作で発病していると発生する確率が高まります。

病気は根から感染し発生するため、根を傷つける定植作業やネコブセンチュウの感染によっても被害が増えます。

萎凋病の対策方法

地上部の症状などからメロンが病害に感染していることが分かったら、まず周辺の株を取り除きましょう。

感染したメロンだけでなく、周辺の株も一緒に取り除き圃場の外に出すことが大切です。

病原菌が土壌に残っていると、他の株にも伝染させてしまう可能性があります。

また使用した手袋は廃棄し、作業道具はしっかりと消毒を行いましょう。

萎凋病になってしまった場合の対応策はこちらをご覧ください
「農作物が萎凋病になってしまった。どう対策すればいいですか？」
「萎凋病にかかってしまった農作物。有効な農薬の種類は？」

未然に防止する方法

メロンの萎凋を示す病害は、発生してからの対策では手遅れとなる場合もあります。

そのため、苗の植え付け前には基本的に土壌消毒を行う必要があります。

土壌消毒法も病害の種類によって異なり、ホモプシス根腐病には太陽熱や土壌還元消毒が有効ですが、メロン黒点根腐病ではこれらは効かずクロルピクリンやガスタードのような薬剤を用いた消毒法が一般的となります。

また定植時の地温をできるだけ高くし、生育初期の根張りを促進することで、頑健な株を作ることも有効です。

またハウス栽培ではハウス内の温湿度を適切に保ち、過度な蒸しこみや過乾燥を防ぎましょう。