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ライチを栽培したいと考えていますが、どのような種類があるのでしょうか

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ライチを栽培したいと考えていますが、どのような種類があるのでしょうか

これまでさまざまな果樹を栽培してきましたが、温暖化の影響もあり、満足がいくような品質の作物を生産できなくなってきました。

そこで、新たにライチの栽培を始めようと思うのですが、どんな種類、品種があるのかわかりません。

種類ごとの特徴やどんな環境に適しているかなど、具体的に教えてください。

前田隆昭

南九州大学 環境園芸学部 環境園芸学科 教授

日本で栽培されているライチの仲間(ムクロジ科植物)はライチ(レイシ)・龍眼(リュウガン)・ランブータンの3種類

日本で栽培されているライチの仲間


栽培されるライチの仲間は、大きく3種類に分けることができます。

・ライチ(レイシ)
・龍眼
・ランブータン


可食部である果実を比較すると、それぞれ独特な見た目をしていますが、3種類とも同じ「ムクロジ科」に分類されます。


ライチの特徴


3種類の中で消費者にもなじみがある「ライチ」は、別名「レイシ」とも呼ばれ、レイシ属に分類されます。

日本で出回る品種は「黒葉 (クロバ)」などで、6〜7月にかけて流通します。赤褐色の見た目をし、他の2種に比べて鱗状の果皮をしています。

可食部は、水分を多く含み、酸味より甘味が強く、多少の苦味も感じる風味が特徴です。


龍眼の特徴


黄みがかった果皮が目を引く「龍眼(竜眼)」は、「ロンガン」や「ロンイェン (中国語)」とも呼ばれています。リュウガン属に分類され、ライチに比べて小ぶりな果実をつけます。

龍眼は、日本での栽培は少なく、あまり知名度がありません。龍眼の栽培に適した環境は20〜28度が適温で、1年を通して気温の変化が起こりやすい日本では、栽培が難しい傾向があります。


ランブータンの特徴


長い毛をまとった「ランブータン」はランブータン属に分類されます。ライチと異なり、苦味がほとんどありません。爽やかな風味が特徴で、食用としては非常に食べやすい種類です。

中には、糖度が20度あるランブータンもあり、同じ熱帯特産果樹のマンゴーを上回る甘さです。


日本でライチの仲間を栽培できる場所


国内でのライチの仲間の栽培は、鹿児島県や宮崎県、沖縄県が大半を占めています。なぜなら、ライチは熱帯特産果樹で、基本的に暖かい気候を好むからです。

ライチ(レイシ)の国内での生産量は、2017年のデータによると鹿児島県が約40%、宮崎県が約60%を占めます。日本ではこの2県が主な産地です。

一方、リュウガンは鹿児島県で、ランブータンは沖縄県で各々一部栽培されています。

また、霜が降りない地域、例えば和歌山県の本州最南端地域では、リュウガンの露地栽培が可能ではないかと研究が行われていたこともあります。しかし、開花はするものの結実までには至りませんでした。

栽培適地についてはこちらの記事もご覧ください
ライチの栽培適地について教えてください


ライチの種類を理解して栽培してみよう


今回紹介した内容を参考に、ご自身の栽培環境にぴったりなライチの仲間を選んで、栽培を始めましょう。

このお悩みの監修者

前田隆昭

南九州大学 環境園芸学部 環境園芸学科 教授

琉球大学農学部を卒業後、和歌山県庁に入庁して農業改良普及所の技師や、果樹試験場の研究員などを歴任し、2009年退職。同年、農業生産法人「有限会社神内ファーム21」に入社し、南方系果樹の研究を経て、2015年から南九州大学環境園芸部果樹園芸学研究室の講師に。2021年同大学・短期大学の学長に。2022年5月、学長退任後も教授として引き続き学生を指導する。

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