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ライチを栽培する温度について知りたいです

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ライチを栽培する温度について知りたいです

ライチの栽培に挑戦しようと考えています。他の果樹は育てたことがありますが、ライチについては初心者なので、知り合いの農家さんに聞いたところ、ライチには「温度管理が大切だ」と教えてもらいました。

しかし、具体的な温度について聞いてみても、あまり詳しいことまでは教えてもらえませんでした。

具体的にどれくらいの温度で管理するとうまく栽培できるのでしょうか?

また、季節による温度変化にはどのように対処したらいいのかを教えてください。

前田隆昭

南九州大学 環境園芸学部 環境園芸学科 教授

ライチの栽培は20~28度が適切です!時期により調整も必要

ライチ栽培の適正温度


ライチを栽培するためには、20~28度での温度管理が必要です。ライチは亜熱帯果樹のため、高温で多湿な環境を好みます。

また、ライチの収穫期は7〜8月(沖縄県では5~6月)で、この時期に合わせて温度調節をすることが大切です。

ライチを安定して生産するためにも、ビニールハウスを使用した施設栽培を行いましょう。施設栽培であれば、温度管理だけでなく、防風や降霜および積雪の被害を防ぐことも可能です。

ライチを栽培しやすい場所についてはこちらをご覧ください
ライチの栽培適地について教えてください



冬のライチ栽培は7度以上を保つ


冬のライチ栽培には、7度以上の環境を保つことを心がけましょう。ライチは亜熱帯果樹のため、耐寒性が弱い性質を持っています。

0度以下の環境でも耐えられますが、長時間の生育は株を傷める原因になります。

-2度程度の一時的な低温には耐えることはできますが、-2.2度で細い枝が枯れ出し、-5.5度では太い主枝まで枯れてきます。

そのため、冬でも7度以上に保つよう、温度管理を心掛けましょう。

ライチの花芽形成に必要な温度


ライチが花芽をつけるには、充実した枝が18度以下の低温に遭遇する必要があります。例えば、夜温を15.5度以下の低温に2カ月間遭遇させることで花芽分化がおこります。年中暖かい環境では、花芽が作られません。

そのため、ライチの花芽分化期である11月~1月は18度以下の低温に遭遇させるため、施設栽培では高温になりすぎないように注意しましょう。

また、天気の良い昼間は、ビニールを開けるなど低温になる温度管理を行いましょう。

そして、花が咲くタイミングで15〜18度程度に温度を上げましょう。


ライチ栽培における温度管理の注意点


ライチは花芽をつくるために、一時的に低温で栽培しなければいけません。しかし、気温が下がりにくい地域で露地栽培を行うと、花が咲かない結実不良が起こる可能性があります。

そのため、こうした地域では花芽形成の時期に注意して栽培をする必要があります。

反対に、温度が上がらない地域や霜が降りる地域では、花芽をつくりだす枝が寒害を受ける可能性があります。

また、施設栽培の場合には、湿度が上昇すると花や実を落とす原因にもなります。

ライチの花芽時期から結実時期にかけては、温度管理に加えて湿度管理にも注意しましょう。

このお悩みの監修者

前田隆昭

南九州大学 環境園芸学部 環境園芸学科 教授

琉球大学農学部を卒業後、和歌山県庁に入庁して農業改良普及所の技師や、果樹試験場の研究員などを歴任し、2009年退職。同年、農業生産法人「有限会社神内ファーム21」に入社し、南方系果樹の研究を経て、2015年から南九州大学環境園芸部果樹園芸学研究室の講師に。2021年同大学・短期大学の学長に。2022年5月、学長退任後も教授として引き続き学生を指導する。

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