ライチを越冬させる方法について教えていただきたいです

ライチを越冬させるには温度と湿度の管理が重要です

ビニールハウスを二重にする

ライチを越冬させるには、ビニールハウスのビニール部分を二重にするか、もしくは内張りを張りましょう。

一重のビニールでは、朝の気温がビニールを張らない場合より下がることがあり、普通のビニールハウスでは寒すぎる可能性があります。

また、内張り用のサニーコートを導入するのも効果的です。ビニールとコートの間に空間ができ、二重張りに近い保温効果が期待できます。ビニールより耐久性が強く、1度購入すると数年使用できるのも経済的です。

ライチは、マンゴーやパイナップルなどの熱帯特産果樹の中でも、比較的寒さには強い性質を持っています。

しかし、無暖房のビニールハウスで栽培できるのは、外気温が−3度の場合までです。それ以下の温度では、長時間耐えることできず、枯死してしまいます。

それでは、具体的にどのくらいの温度を目安に保つ必要があるのでしょうか。

温度を10度以上に保つ

温度を高くし過ぎてしまうと、開花のスピードが早まり、結果率（実を結ぶ確率）が低下します。

反対に、それ以下の温度では、枝や葉を落とし、生育不良に繋がる可能性があります。

特に冬に冷え込む地域では、以下のような保温器具の導入をおすすめします。

・燃焼燃料コンロ・錬炭
・ビニールハウス用ろうそく
・ビニールハウス内用ヒーター

燃焼燃料コンロ

燃焼燃料コンロは、錬炭に点火して使用する吊り下げ式の保温器具です。

錬炭を2連にして使用すれば、15〜17時間保温することも可能です。電気を使用しないため、電気代を抑えることもできます。

小規模の施設栽培で保温持続時間を長くしたい方におすすめです。

ビニールハウス用ろうそく

ビニールハウス用ろうそくは、燃焼燃料コンロと同じく、点火して使用する器具です。低予算で保温することができます。

また、点火することで炭酸ガスが発生し、作物の成長を促進させます。

燃焼燃料コンロと同じく、費用を抑えたい方や、小規模の施設栽培を行っている方におすすめです。

ビニールハウス内用ヒーター

ビニールハウス内用ヒーターは、ストーブのように灯油を使用する保温器具です。電源はいらず、ハウスの好きな場所に設置することができます。さらに、保温だけでなく、冷害や霜害を防ぐ効果もあります。

冬の平均気温が低い地域で栽培をしている方や、施設栽培の規模が大きい方におすすめです。

ただし、ハウス内で燃焼させる場合は、燃焼させる物によって、ビニールハウスにススなどが付着する場合がありますので、注意して下さい。

湿度管理を徹底する

ライチを越冬させるためには、温度だけでなく、湿度の管理も大切です。とくに、秋から冬にかけては花芽をつくる時期になり、結実にも影響します。湿度が低めになるよう栽培しましょう。

湿度を低くするために、ビニールハウス内を換気する必要があります。

ハウス内を換気すると、日中の温度も低く抑えられ、早期開花の抑制につながります。また、病害の予防にもなります。

主な換気方法は以下の3つがあります。
・換気扇を設置する
・換気窓を設置する
・ハウスのビニール部分を開閉する

ライチを栽培する際の温度については、こちらの記事をご覧ください
「ライチを栽培する温度について知りたいです」