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養殖ブリの生産量が多い産地が知りたい

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養殖ブリの生産量が多い産地が知りたい

ブリ養殖を行なっている水産会社に入り、ブリの養殖方法を学びたいです。

地元ではブリ養殖を行なっていないので、ブリ養殖が盛んな地域で漁師になろうと考えていますが、日本でブリの養殖を行なっているのはどの地域なのでしょうか?

養殖ブリの生産量が多い産地を教えてください。

中平博史

全国海水養魚協会 専務理事

ブリ養殖に適した産地は鹿児島県、大分県、宮崎県などの九州地方や四国です

養殖ブリの産地と生産量



養殖ブリの主な産地は、鹿児島県、大分県、宮崎県などの九州地方や愛媛県、高知県などの四国地方に集中しています。

生産量が最も多いのは鹿児島県で、およそ26,654トンと全国の生産量(104,055トン)の25.6%をシェアしています。

2位は大分県(17,766トン)、3位が愛媛県(16,508トン)で、この上位3県だけで全国の生産量の約59%を占めています。

さらに4位以下に宮崎県(9,638トン)、高知県(8,329トン)と続き、上位5県で九州地方と四国地方が全国の約76パーセントを占めていることから、いかにブリの生産量が高いかが分かります。

ブリ養殖に適した地域の特徴


ブリの養殖は九州地方と四国地方に集中していますが、その理由として、冬場に比較的高い海水温が必要だという点が挙げられます。

また、ブリは成長とともに大きく生息場所を変える特徴があります。その生育環境の変化に適していることが養殖しやすい地域になるのです。

例えば、ブリの養殖は稚魚であるモジャコの採捕からスタートするので、まず何よりもモジャコが獲れる海域であるということが重要です。

ブリは2月ごろから産卵期を迎えますが、主な産卵場所は東シナ海といわれています。

卵から孵化した仔魚が1.5センチくらいまで成長すると「モジャコ」といわれるようになり、4月ごろから流れ藻について北上します。

そして、黒潮にのって北上し、日向灘から土佐湾を経て東へ運ばれます。一部は対馬海峡から日本海に入り、対馬暖流にのって山陰、北陸沿岸へと運ばれます。こうした産卵から孵化、回遊までの動きを見ると、ブリ養殖の盛んな地域は生育に適した海水環境とリアス式内湾等の有する地域ともいえます。

また、モジャコは7センチほどまで成長すると流れ藻を離れて沿岸の浅い場所に移動し、奥行きの深い内湾や内海で完全な魚食性へと変わるまでしばらく生育します。

そのため、内湾が多いこともブリ養殖に適した地域の特徴です。

このお悩みの監修者

中平博史

全国海水養魚協会 専務理事

全国海水養魚協会の専務理事や一般社団法人マリン・エコラベル・ジャパン協議会の理事を務める、魚類養殖業のプロフェッショナル。養殖水産物の輸出や赤潮などの環境保全対策活動にも携わっている。

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