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牛舎に「ドライ型ミスト技術」を導入したいが、費用やデメリットは?

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牛舎に「ドライ型ミスト技術」を導入したいが、費用やデメリットは?

わが家は、季節野菜を市場や小売店向けに出しつつ、100頭ほどの乳牛を育てている酪農家です。

牛舎は栃木県内にあるのですが、最近は最高気温が30度を超える日が続くことも多くなったため、何か効果的な対策をとりたいと考えています。

インターネットで情報を収集していたところ、水を霧の状態で噴射する「ドライ型ミスト技術」というものがあり、牛たちのストレスを緩和してくれるのはもちろん、牛舎内の暑さ、臭気、害虫などの対策にも効果があるという記事を読みました。

牛舎の環境が良くなってコストが見合うならうちでも導入したいので、具体的な費用やデメリットがあれば教えてください。
(栃木県・花田さん/仮名・50代)

幸嶋健一

株式会社いけうち アグロ事業部 大阪営業所

ドライ型ミストは畜舎内の温度を最大6度下げ、乳量アップや害虫防除にも寄与します

弊社は、半世紀以上にわたって4万2千種類のスプレーノズルを開発して、自然界のあらゆる霧を人工的に再現してきました。

私たちが開発した「セミドライフォグ®︎」は、霧の粒の平均サイズが10μm〜30μm(μmは1/1000mm)と微細で、濡れの原因となる大きな粒子を含まないため「ドライ型ミスト」と言われています。

最近では、街中や観光地などにこのドライ型ミストの噴霧機を設置してクールスポットを提供しているほか、鋳造機の冷却やチョコレートコーティングなど、産業界のあらゆるシーンでご活用いただいています。

農畜産部門においては、酪農や肉牛、繁殖農家を中心に、養豚、養鶏、競走馬など、すでに170カ所の牧場で導入されています。

温暖化の影響で、平均気温が35℃を超える猛暑日が続くことが多くなった近年、秋口まで暑熱ストレスが続くと牛の乳量や受胎率が低下したり、子牛の生存率に影響を及ぼしたり、胎児の疾病、奇形、成長不良などさまざまな悪影響が報告されています。

従来の細霧装置は、動物の体を濡らして送風ファンで風をあて、気加熱で体温を奪う仕組みだったのに対して、ドライ型ミストは、動物の体や寝床、餌を濡らすことなく、畜舎空間全体の温度を下げることができます。

この装置を設置した牛舎と、未設置の牛舎で比較したところ、平均気温31.4℃だった牛舎が、導入後は27.4℃まで下がり、最大で6℃近い冷却効果があったことが報告されています。

また、ある酪農牧場では、導入後4年で乳量が13%アップ、乳質や繁殖も改善されました。

さらに、消臭剤や除菌水、殺虫剤などを噴霧することで、臭気対策やサシバエ、アブなどの害虫防除といった効果も確認されています。

導入コストは、牛舎の規模ごとに異なってきますので、参考金額ですが設置費用を含まず、機器費用と輸送費で以下の金額になります。

(小型)100V 0.75KW つなぎ牛舎・小規模子牛牛舎 160〜180万円(税別)
(中型)200V 2.2KW フリーストールなど 70頭〜 噴霧配管40m×2〜3列 250〜300万円(税別)
(大型)200V 3.7KW フリーストールなど 120頭〜 噴霧配管60m×3〜4列 300〜400万円(税別)

また、ランニングコストについては、例えば1時間あたりの消費電力15円kW、大型畜舎(3.7kW)です。

地域ごとに比較してみた場合、使用水量1㎥/hr、水道料金300円/㎥で試算すると下記のようになります。

北海道エリア 夏期(3カ月) 300hr稼働 電気代 3.7kw×15円/kwh×300hr=16,650円
本州エリア 夏期(5カ月) 500hr稼働 3.7kw×15円/kwh×500hr=27,750円
九州エリア 夏期(6カ月) 600hr稼働 3.7kw×15円/kwh×600hr=33,300円 

井戸水の使用を想定し、水道水の場合は上記の電気代に加え、90,000円〜180,000円の水道代金が必要になります。

導入した酪農家さんによると、例えば、相談者さんと同じ栃木県那須塩原市の和田牧場さんの畜舎では、気温が27℃以上になると自動で稼働するように設定していて、導入後には年間の乳量が1頭あたり500kg程度増えました。

110頭の経産牛がいるので、単純計算して年間550万円の収益アップに繋がりましたし、産後の事故がなくなり、乳房炎にかからなくなったそうです。

また、兵庫県の肉牛農家さんでも、導入後すぐに冷房効果が認められました。

牛が餌をよく食べるようになったために、出荷体重が増えたそうです。
ほかにも弊社のWebサイトで農家さんの感想を公開していますので、確認してみてください。

セミドライフォグ®︎を導入した牛舎

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