群馬のグリーンアスパラガス農家、40代の男です。
これまではアスパラガスを市場へ持ち込むだけでしたが、今後は道の駅の産直スペースにも出荷していこうと考えています。
アスパラガスはとても成長が早く、一日に数回収穫しなければならないほどなのですが、契約した直売所に「売る時には冷蔵スペースで陳列したい」と交渉したところ「ほかの商品との兼ね合いで当面はスペースがないため無理です」と断られてしまいました。
どうも、道の駅には必ず冷蔵して売らなければならない肉の加工品も販売しているので、そちらが優先なのだとか。
そこで、常温の棚でもなるべく長持ちするように工夫したいのですが、どんな対策をすればよいでしょうか。
(群馬県・今市さん/仮名・40代)
脇坂真吏
AgriInnovation Design/東神楽大学学長
鮮度を保つ特殊な袋に入れ、保冷剤の上に立てて陳列を
スーパーの野菜売り場でアスパラガスの鮮度を確認してみると、収穫から日が経っているものが、むき出しのままテープで束ねられ常温の棚に陳列されていることも多いようですね。こうなると、カラッカラに乾燥してしまって、とても可哀想だと思います。
常温の売り場で少しでも鮮度を保持したいということでしたら、毎朝収穫して、毎日納品し、翌日には撤収するのが一番です。さらにPOPなどで「朝採れの新鮮なアスパラガス」だとアピールすれば、お客さんの反応も高くなるはずですよ。
ただし、同じように新鮮さを売りにするアスパラガスがどれだけ並べられているかによって、お客さんの反応も変わってきます。
また、もしも「毎朝収穫、毎日納品、翌日撤収」が難しいなら、むき出しでの陳列はやめましょう。袋詰めにFG袋(OPP袋に防曇(くもり止め)加工を施した袋)を使用すれば、袋の内側に水分が付着しないので、通常よりも長く腐敗から守り、見た目でも新鮮さを演出することができます。
さらに可能であれば、陳列棚のサイズにカットした発泡スチロールを設置し、底に保冷剤を敷き詰めて陳列しましょう。もちろん、保冷剤は毎日冷たいものに入れ替えてください。
私が販売している場所では、朝採れのアスパラガスをFG袋に入れて、冷蔵スペースで販売していますが、「鮮度の良さ」が味と見た目のアピールになるので、売上につながっていると思います。