北海道で専業農家をしている30代です。
最近、健康や洗浄など、あらゆる分野で気泡が微細なナノバブル水が注目されていると知りました。
農業では、ナノバブル水を農作物に活用すると作物の生育促進につながるとのこと。
ハダニの除去にも有効で、収穫量や品質の向上も見込めると聞き、ナノバブル水の可能性に魅力を感じています。
差別化のためにも導入を検討中なのですが、周囲でやっているという人を見たことも聞いたこともなく、作物や使用する広さによって効果的な使い方があるのか、不明な点も多く躊躇してしまいます。
初期費用にどれくらいかかるのか、費用対効果はどれくらいなのか、費用面も含めて教えてほしいです。
(北海道・ 田窪遼さん/仮名・30代)
中島洋司
株式会社ナック(NAC)会長
栄養分や酸素の吸収が良くなります。肥料の削減や作物の収量アップに効果
当社は、「化学肥料や農薬をなるべく減らし、自然界にいる微生物の力で土を耕すことができないか」と言う農家さんの声から、微細な気泡を発生するマイクロナノサイズのバブルの研究を始めました。今では「B.nano®︎」で商標を登録しています。
当社が開発したマイクロナノバブルの泡は、3割ほどがナノバブルとして水中に浮遊します。
大きな泡はプラスの電荷で気泡の表面積が大きいため、容器の中に入れても上昇して抜けやすい性質を持っています。
一方、ナノバブルはマイクロバブルに比べると、光学顕微鏡でも見えないくらい小さいので水の中でマイナスの電荷を持ったまま浮遊します。
例えば農地に散水する際に硬い土だと、通常の水道水では浸透が容易ではありません。
しかし、マイクロナノバブル「B.nano®︎」の場合は、毛細管現象によって地中深くまで水が浸透しやすくなります。
水に含まれる酸素が土の中に浸透することで、地中の微生物が活性化して排泄を促します。それが土の栄養分になり、土自体を柔らかく土壌の改良につながります。
農家さんがナノバブル水に注目する理由は、土や植物との相性が良いからです。土のミネラルや有機物は、プラスの電荷を帯びています。
そこで、マイナスの電荷を持つ「B.nano®︎」と結びつくことで、根から栄養分や酸素の吸収が良くなります。
同時に土壌の窒素を効率よく吸収できるようになり、自然と窒素系の肥料を減らすことができるのです。
実際、岐阜県農業技術センターで「マルチ栽培」と「ドリップ灌水」を組み合わせた「マルドリ方式」の栽培方法と、マイクロナノバブルの水を散布する栽培方法を比べた結果、マイクロナノバブルの水を与えた果樹は着果量が倍増しました。
サイズもLサイズ以上の規格品が多く、糖度も16%を超えるものが多くできたのです。
トマトやきゅうり、ガーベラなど他の植物でも、成長促進効果が確認されています。
また、光合成に必要な二酸化炭素をマイクロナノバブル化し、炭酸水にした実験では、葉の裏に散布したことで、葉の気孔からCO2を吸収して光合成が促進され、成長に結びついたのではないかと考えられています。
マイクロナノバブルを発生させる装置は、2種類あります。
ひとつは、タンクローリーの給水タンクや液肥タンク、配管内などに設置して使う小型のマイクロナノバブル発生装置(Foamest®コラムシリーズ)。
最初にコンプレッサー(ガスボンベ)や圧力を調整するレギュレーターなどを用意し、そこに特殊な加工を施した多孔質フィルム「モノトランフィルム®」をチューブ状にしたコラム(200mm以上の大径角型鋼管)を組み合わせて使います。
コラム自体は消耗品なので、使用状況にもよりますが、平均して2年程度で張り替える必要があります。
さまざまな規格がありますが、コラム自体は1本20万円前後です。1日あたり、どのくらいの水量を供給するかに応じて、サイズと本数が変わります。
もうひとつは、井戸や農業用水からの配管を引き出し、マイクロナノバブルを発生させる装置を組み込む配管内設置型の特殊な構造のものを「Foamest®️AGRI」といいます。
コンプレッサーやレギュレーター、継手など必要なものが一式セットになった販売もしていますよ。すでに全国で300軒近い農家さんがマイクロナノバブルを発生させる装置を導入されています。相談者さまもぜひ気軽にお問い合わせください。