福岡県で代々、野菜作りをしている農家です。
社会勉強のため、大学卒業後は一般企業に就職して営業の仕事をしました。
ですが、30歳を迎えるのを機に実家へ戻り、父と祖父とともに家業に専念することになり2年目です。
当たり前のことですが、農業は自然が相手のため、ほとんど休みがありません。
幼い頃より家業の手伝いをしてきましたが、会社員時代の土日の過ごし方や有給休暇が懐かしいです。
農業は頑張った分、収穫など成果に表れるのが面白く夢中でやっていたところ、気付けばここ数年、ほとんど休みを取っていないことに気付きました。
しかし、無理やり休んでも、畑のことが気になって仕方ありません。
仕事は好きですが、このままでいいのでしょうか?無理なく農家を続けていくために、どうワークライフバランスを保てばよいのでしょうか。
(福岡県・福田さん・32歳)
A.B.先生
農業経済学が専門の大学の名誉教授
週2日休みが理想で最低でも週1日休みは必須!年単位での休み調整も有効
経営者と雇用者では立場が違いますが、農業従事者には週1日の休暇は確保していただきたいです。私が以前長野へ行った際、農業経営者と次のようなやり取りがありました。
彼らはレタス畑に毎日出てはガリ切り(除草)をしており、私は「毎日ガリ切りしなければダメなの?」と聞きました。すると、「そうではないのですが、隣近所の目が気になるのでやっているだけです」という答えが返ってきました。
さらに、家族経営か農業法人かなど、経営規模によっても事情は異なるでしょうが、できればサラリーマンのような週休2日、あるいは農閑期に多めに休暇をとるなどの調整をしていただきたいです。農繁期(収穫期)に休めないなら、年単位で働く時間を調整するなどして「農閑期はしっかり休む」というスタイルが日本人にとってはよいでしょう。
村田翔一
ロックファーム京都 代表取締役
定休日設定やシフト制で休みを確保!従業員がいるなら任せられる環境作りを
私は10年ほど勤めた消防士の仕事を辞めて、実家の農園を継ぎました。仕事が面白くて、ほとんど休みなしに働いているのは相談者さんと同じですが「育てて売る」ことは農業の醍醐味ですよね。
極論すると1年365日、24時間仕事のことを考えても苦になりません。農閑期もありません。とはいえ、12名の従業員がいるため、土曜日を定休日とし、従業員自身で自由にシフトを決めてもらっています。
これにより、私も仕事を任せられるようになり、キャンプや食事会に参加したりと、自由に時間を活用できるようになりました。相談者さんも、信頼して任すことのできる環境が整えば、メリハリのついた働き方ができるかもしれませんよ。