夫婦で養豚農家を経営しています。
仕事のほとんどは旦那がやっていて、妻である私は週に1回か2回の頻度で数時間手伝う程度です。
仕事の頻度が少ないので、私自身は農作業中傷害の保険に加入しておらず、夫だけ加入しています。
しかし、養豚農家の仕事は出荷作業など、暴れる豚を抑えるような重労働も多いので、ケガをしないか心配です。
そのため、私自身も保険に入ろうかと検討しています。
小学生になる息子と、幼稚園に通う息子が1人ずつおり、学校行事や習い事で忙しい場合は、週に1回も仕事をしない事もあります。
このような状況ですが、農作業中傷害の保険には入るべきなのでしょうか?ぜひアドバイスをお願いします。
(鹿児島県・廣幡 和美さん/仮名・40代)
野方健志
株式会社プロデュース九州
労災保険契約と障害保険契約などの補償をよく確認したうえで加入を検討するとよいです
農畜産業は身体が事業資産ですので、身体が動けない事態は深刻ですね。
養豚業でも私の関与先さんたちの牧場では、飼料サイロからの転落事故、作業車両に挟まれた死亡事故、出荷時に大きな肉豚に跳ね飛ばされた重症事故など、幾度も経験しました。
また、法人経営であれば、労災事故が発生すれば「使用者管理責任」を問われて経営者と現場管理者は処罰されます。
家族経営であれば、牧場と家庭の両面で大きなダメージを受けます。
民間損害保険会社では様々な共済などの契約補償元請けをすることもあり、事故件数と支払保険金が増えている農畜産業への保険加入の宣伝募集には積極的ではないようです。
残念ですが徴収保険料と支払い保険金の収益が魅力的ではありません。
できれば「掛け金と補償金額を検討する」ことで、加入された方がよいでしょう。
支払われる保険金の補償金額が牧場経営の維持に必要な費用のどこまで担保できるかまで入念に検討されてください。
なお、契約定款には補償した保険金が支払われない項目(免責条項)が細かく書かれていますので、必ず定款に目を通されて疑念があれば質問され確認してみましょう(広告宣伝のパンフレットには「保険金が支払われる場合のみ」と書かれてあります)。
実際のところ、保険募集人と契約者の理解不足で、保険金支払いが為されないことも少なくありません。
労災保険契約と障害保険契約などの補償は、十分に確認されると良いです。
K.K.さん
元JA職員
まずは、配偶者様の加入している傷害保険の被共済者の範囲を確認してみましょう
回答から申し上げると、週一でも作業に従事されているならば、傷害保険に加入することをおすすめします。
やはり、出荷作業というのは、突発的な危険を伴う業務です。
従事する頻度は少なくても、「まさか」という事態は起こり得えます。
その際に確認いただきたいのが、配偶者様の加入している傷害保険(傷害共済)の「被共済者の範囲」です。
JA共済の「農作業中傷害共済」は、加入者ご本人だけでなく、配偶者・親族も自動的に対象になります。
そのため、配偶者様が既に加入されている保険が、家族もカバーする補償内容となっているかどうかをご確認ください。
もし対象でない場合は、加入を検討されることをおすすめします。
農業者の傷害保険に関しては、安くする方法というのはざっと調べた限りではこれというものが見当たらなかったのですが、農業の傷害保険(共済)は、本人だけでなく家族もカバーするタイプのものもあります。
そのため、ご主人の保険を確認し、本人だけでなく家族も既に補償対象としているかどうかを確認し、その上で対象になっていなければ、別途傷害保険に加入するのが望ましいと思います。