長野県で葉物野菜を中心に作っている40代の農家です。
作物の状態などにより使い分けていますが、農薬や化学肥料を使用する一般的な栽培をしながら、減農薬栽培にも取り組んでいます。
最近、減農薬や有機栽培への注目が高まっていると感じています。
ですが、作物を安定的に収穫、出荷するには、農薬や化学肥料は欠かせないと思います。
自分としては、農薬の使用、不使用よりも「味はいいのに見た目が劣る作物は商品価値がない」ことの方が問題だと思っています。
農薬は決して悪ではないという思いを持っているので、農薬使用については人一倍厳しく取り組んでいる自負があります。
今後も農薬についての勉強を続け、新しい情報を取り入れていきたいと考えています。
そんなとき、農家の先輩から県の「農薬管理指導士」の資格取得をすすめられました。
認定研修の申請を考えていますが、事前に勉強すべきこと、調べておくべきことはありますか?
(長野県・下山祐太郎さん/仮名・46歳)
長野県農政部農業技術課 指導員
長野県
農薬取締法や農薬の特性、病害虫防除について勉強しておきましょう。
「農薬管理指導士」とは、農薬使用者に対して農薬を安全に使用するよう指導する資格を持っている方のことです。
指導対象は農業者だけでなく、農薬販売者なども含まれます。「農薬管理指導士」の認定制度は、1987年より全国で開始した制度です。
全国での認定数は、2019年(平成31年)3月現在で4万9,029人(農林水産省調べ)です。ご相談者さんがお住まいの長野県でも、「長野県農薬管理指導士認定事業実施要領」に基づいて、認定事業を実施しています。
資格取得のメリットは、農業者や農薬販売者、ゴルフ場業者などに対し、さまざまな場所でアドバイスを行うことができるとともに、自身の農薬の知識向上に役立ちます。また、農薬管理は重要であり、農薬管理責任者の設置が求められるGAPの取り組みにも役立ちます。
試験の内容については、農薬取締法などの法令関係、農薬の特性や適正使用方法、病害虫・雑草の発生生態や防除に関することです。
長野県では認定試験前に、上記内容についての研修会を開催しています。また、研修会に使用するテキストは日本植物防疫協会より発売されています「農薬概説」を使用して講義を行います。これを購入し、事前に学習を進めることもお勧めします。