大分県で米・麦・野菜を栽培する50代の農家です。
おかげさまで私の親も現役で活躍しており、自然豊かな中山間地にてできる限り自然に任せる農法での栽培に取り組んでいます。
来年30歳になる息子は現在、一般企業の営業職として頑張っています。
小さい頃からよく農作業の手伝いはしてくれましたが、私から後を継いでほしいと言ったことは一度もありません。
それが最近「いつかは後を継いでもいい」と言うようになりました。
こちらとしても、代々続いた農地を何とか守っていける目途が立つならば、正直嬉しい気持ちです。
息子は「田畑のことはわかる」と強気ですが、父親の私から見れば素人も同然です。
私と父の下でイチから覚えるのもいいのですが、外で修業させることも考えています。
ただ、しばらく息子は収入面で我慢を強いることになりそうです。
そこで「親元就農支援金」というのがあると聞いたのですが、どんな制度でしょうか?
息子の場合も対象になるのでしょうか?
(大分県・三重野秀行さん/仮名・58歳)
高田裕司
日本プロ農業総合支援機構(J -PAO)上席コンサルタント
新規就農者向けの資金をカバーするものです。地元の農政担当に問い合わせましょう
新規就農者に対しては、農林水産省による就農前の研修を後押しする資金「準備型(2年以内)」及び、就農直後の経営確立を支援する資金「経営開始型(5年以内)」を交付する「農業次世代人材投資資金(旧青年就農交付金)」という制度があります。
こうした制度に対応できない内容をカバーするため、親元就農支援金があります。
子や孫が親の経営に従事しながら、親元で行う就農研修に対して助成金や給付金を交付するものです。親元就農する際の一時的な収入低下などを解消します。
親元就農支援金は、親が元気なときから子に経営に携わってもらい、地域農業の中心的な担い手を育て、経営継承を進めるのが目的です。
ただしこの制度は全国一律ではなく、市町村や都道府県が実施するもので、内容や要件は地域によりさまざまです。
子や孫の年齢制限、親が認定農業者であること、親元就農の従事期間が一定期間を超えることなど、市町村や都道府県により異なります。交付金額や交付方法も毎月交付や年1回交付などのパターンがあります。
そのため、詳しくは、お住まいの地域の市町村の農政担当部署へお問い合わせてみてください。