岩手県で100坪ほどのハウスにてレタスを栽培しております。
ハウス内には昔ながらのダルマストーブを3台設置して、冬場の暖房に利用しています。レタスは凍害によって衰弱します。
油断するとダメになってしまうので、気が抜けません。
ストーブによる暖房は欠かせないわけですが、50代後半となり、燃料となる薪の切断や、ネコ車(一輪車)でハウス内を木材を運ぶ作業が非常につらく感じるようになってきました。
さらに面倒なのが煙突掃除です。
1年に1回は煙突を分解してキッチリと掃除しておかないと、煙突の曲り口が煤(すす)で詰まってしまいます。
手を抜くとハウスが煙で充満し、しばらく臭いが消えなくなります。
これが3台分となると、かなりハードな作業となります。
できれば3台を1台にしたいのが希望です。
最近は燃料の丸太をそのまま切らずに使え、かなり強力な火力の薪ストーブがあると聞きました。
薪を割る作業がなくなって楽になりそうです。
とはいえ、丸太を運ぶ作業もラクではありません。
そこで薪割り機やストーブファンを導入するのもいいような気がしています。
メンテナンスなども含めて高齢者でも使いやすい薪ストーブの情報を教えてください。
(岩手県・藤原昭雅さん/仮名・50代)
石村栄喜
石村工業 専務
本当に薪ストーブが必要なのか、まずは燃料のコスト比較を!
相談者様は丸太をそのまま切らずに使え、かなり強力な火力の薪ストーブに興味があるようですね。
弊社では丸太をそのまま使用することができる薪ストーブ「ゴロン太」「スーパーゴロン太」などを発売し、長時間燃焼と対応面積の広さを実現しています。
とはいえ、そもそも薪ストーブにこだわる必要があるのかどうかを見直すことも必要です。実際には化石燃料(重油、灯油、ガスなど)の方がはるかに入手が容易で、電気制御によって温度コントロールが可能というメリットがあります。
それに対して薪の場合は、個人で山林を保有していたり果樹園を管理しているのであれば入手も容易でしょうが、そうでなければ高価となります。しかも温度コントロールが難しいというデメリットがあります。
また、高齢で体力的につらいということですが、やはり煙突掃除は必須です。残念ながら特別にメンテナンスが簡単な薪ストーブというものはありません。
薪の樹種(火持ちのいいナラやクヌギ、着火力にすぐれているスギやヒノキ)や灰の扱い方で掃除の頻度は変わりますが、それでもキツイことに変わりはありません。
実際にのところ、農業用の一般的な暖房機は重油、灯油やガスを熱原料とした場合がほとんどです。薪ストーブのメーカーが言うことではないかもしれませんが、安価に薪が手に入る場合などを除き、薪ストーブにこだわる必要はないかもしれません。
相談者様のハウスがある地域で安定して手に入る各燃料のコストを比較し、この機会に薪ストーブ以外の暖房機器に乗り換えるのもいいのではないでしょうか。