群馬県で春先から秋にかけて朝採りレタスを出荷しています。
品種は安定性に優れ、玉ぞろいがいい「ウィザード」がメインです。
露地栽培でレタスを育てて30年ほどになりますが、最近は茎が伸びる「トウ立ち」が増えてきています。
トウ立ちすると味が落ち、葉もかたくなり、シャキシャキ感も下がり、商品価値が下がってしまいます。
いままでと変わらず育ててきていますが、やはり気候の影響も大きいと感じています。
トウ立ちの発生原因と対策についてご教示ください。
温度以外にもトウ立ちになる要素があるのかどうかも気になっています。
もしこのまま不安定な状況が続くならば、いっそのことハウス栽培に切り替えるなど、思い切った対策が必要な気もしています。どうしたらいいでしょうか。
(群馬県・中島さん/仮名・50代)
早川大喜
大喜農園/TOP HAT
レタスの積算温度を意識し、苗からのストレス対策を施すことで対処してみましょう
レタスのトウ立ちの原因は、大きくふたつの問題が関係しています。ひとつめは「積算温度」、ふたつめは「ストレス」です。
積算温度とは、毎日の平均気温を合計したものです。作物によっては育てる日数よりも毎日の気温の累積が重要になってきます。
レタスの場合は、種まきから収穫までをなるべくコンパクトにするということが重要になります。
種まきをしてからなるべく早く定植をし、寒さなどに触れる可能性がある作型の場合はハウス、トンネル、不織布などを使い早めに収穫できるように心がけましょう。
問題は近年の気象変動の激化によるストレスです。暑くなったり、寒くなったり、乾燥や長雨など、さまざまなストレスが作物にかかっています。
自然のストレスに対抗できることはわずかですが、私はストレスに少しでも強い苗を作ることが重要だと考えています。
苗の小さいうちに亜リン酸やケイ酸等をかけてみてはいかがでしょうか。結果、気候変動に少しでも対応できる健康な苗ができると実感しています。