ぶどうと梨を栽培している果樹農家です。
年間で30回以上の防除作業があり、春先から秋の終わりまでSS(スピードスプレーヤー)はフル回転の状態です。
そのため、使いっぱなしで、手入れを怠りがちになっています。
毎回薬剤が入れ替わるので、終わった後はタンク内に水を溜め、配管やポンプの内部も洗浄した上で次の薬剤散布に備えようと思っていますが、忙しいとついつい怠ってしまいます。
その結果、たまにノズルが目詰まりを起こすこともあります。
また、車体は高圧洗浄機を使って洗浄していますが、ボルドー液などを使って車体が汚れたときに行う程度です。
スピードスプレーヤーは高い農機なので、少しでも長持ちするようにメンテナンスしたいと思っていますが、日常的な手入れはどのようにしたらよいでしょうか。
(山梨県・小林美成さん/仮名・40代)
東 直斗
株式会社クリアー
スピードスプレーヤーを使ったあとは配管やポンプに清水を流し、洗車も定期的に行いましょう
薬剤の目詰まりを起こさないためには、質問者さんがおっしゃるとおり、こまめな掃除が不可欠です。
薬剤を使ったあとは配管やポンプに清水を流して綺麗にすることで、目詰まり以外にも薬剤を残さない(異なる薬剤を使用することによる薬害を防ぐ)という効果もあります。
洗車については定期的にやるぐらいでも良いかと思いますが、やはり丁寧に扱えば扱うほど機械は長持ちすると思います。
農業に限らずどんな仕事でも「忙しいので掃除ができない」と言う方はいるのですが、私個人の意見としては、「掃除もきちんと作業スケジュールに組み込む」ことをおすすめしています。
作業をやって終わりではなく、片付け・環境整備までが仕事ということです。
そこがスケジュールに組み込めないのであれば、組み込めるスケジュールを作る(そのために作業効率をもっと上げる・余裕を作る)のが良いと思います。
特にSSなどの動力噴霧器の場合は、機械を長持ちさせるために「清水を流す」という点と「足回りの点検」は不可欠だと思いますので、「忙しいから削る作業」ではなく、「必ずやらなければいけない作業」として、一度スケジューリングを見直してみてはいかがでしょうか。