茨城県で、ビニールハウスを利用して野菜を作っています。
年齢も60代半ばになり、最近はビニールハウスでの裾ビニール張り作業が肉体的にツラくなってきました。
スコップで土を掘り、裾にかけて飛ばされないようにする作業の繰り返しはとてもキツイです。
ここ数年は強風によるハウスの被害も増えてきており、いままで以上に作業量が増えてきています。
以前に腰を痛めたことがあるので、また腰を悪化させてしまうのではないかと心配です。
作業自体は単純なものですので、若いアルバイトさんを雇ってお願いする方が賢いのでしょうか?
もしくは作業を軽減する新製品やよいアイデアがあれば教えてください。
(茨城県・杉山さん/仮名・60代)
本間健夫
江口屋 代表取締役
作業方法を変えたり「らく助」を使ってみるのもおすすめです!
「裾ビニール(裾フィルム)を埋める作業は、ハウス内の浸水防止や防風の観点からどうしても必要な作業です。もしかすると地面が硬かったり粘土質なのでしょうか?
掘りにくい地面の場合は剣先型のスコップを使って作業しますが、やはり身体へのダメージがどんどん蓄積していってしまいます。
ご相談の内容から「土を掘って、かける」という作業をスコップひとすくいずつ行っているように思えます。そのため、1列分の溝を一気に掘りながら、掘り起こした土は脇に除けておきます。
その後、裾フィルムを伸ばしながら展開(展張)した後に、掘り起こした1列分の土を寄せて埋め戻してはどうでしょうか?
土がやわらかければ、スコップよりもクワの方が溝掘り、土寄せには使いやすいと思いますよ!
作業を楽にする道具はないか?という質問ですが、ハウスの天井(屋根)フィルムを張るときには、台車で移動しながら、展張作業の効率をアップできるHARAX株式会社の「コロ助」という道具がよく知られていますが、これらは側面には使用しません。
同じHARAXから、側面作業用として「らく助」という台車が出ていますが、土の掘り起こしや寄せる作業は人力で行うしかありません。とはいえ、フィルム自体は5年程度は保ちますから、この作業はアルバイトさんを雇ってでも行う方がよいでしょう。
ただ、ビニールハウスのメンテナンスは、私たちだけでなく、全国の農業資材店で有料で引き受けています。張替え、補修、建て替え、新設、暖房機やカーテン等機器設置などハウスに関するあらゆるサポートをしますので、ぜひ最寄りの資材店に確認してみてください。
逢坂大輔
株式会社シーエフロボタス
アシストスーツを使って肉体への負担を軽減してみては?
スコップで土を掘っては裾にかける作業の連続は、身体が前屈みになった姿勢で腕を動かすこととなります。腰に大きな負担がかかる作業は、年齢に関係なく辛いものです。
質問者さんは以前にも腰を痛められた経験がおありとのことで、負担はできるだけ避けたいものですね。
最近では、作業時の肉体負荷を軽減してくれるワーキングスーツ(アシストスーツ)が発売されています。ご質問にあるような「土を掘る」という作業に適したものですと、ダイヤ工業株式会社の「ワーキングアシストAS」という掘削作業専用アシストスーツがあります。
装着が簡単なベストタイプで、腕部分に装着する肩腕ゴムベルトの伸縮により、土砂をすくい上げる際の腕の負担を軽減してくれます。さらに腰部はコルセット機能を備えており、作業中にかかる腰への負担も軽減できます。
また、ハウスの組み立てや修繕などで腕を上げて作業することもあると思います。腕を上げ続ける作業は、腰への負担もかかりますので、株式会社ダイドーのアシストスーツ「TASK AR 3.0」もおすすめです。
こちらも、1人で簡単に装着できる、上向き作業用アシストスーツです。完全に腕を固定するわけではないので、腕を上げた状態でも上下左右自由に動かせます。
アシストスーツは想像以上に肉体的負担軽減と生産性向上を実現します。ぜひ試してみてください。