うちの農場では年間を通してレタスや数種類のベビーリーフなどの葉物野菜と、大根、ごぼう、にんじん、ショウガなどの根菜を半々くらいの割合で栽培しています。
これまで作物の洗浄は「やさしく洗える」という理由から、すべて手作業で行ってきました。
しかしここ数年、根菜の出荷量が増えてきたため、手洗いに限界を感じており、「野菜を傷つけずに洗えるなら洗浄機を導入しよう」ということになりました。
葉物野菜の洗浄は、ホースでシャワーを当てたり、水槽の水に浸けたりしておくくらいでいいのですが、根菜の洗浄は長時間の作業に加えて力がいるので負担が大きいのです。
いまは水を張った水槽に根菜を入れ、ホースで水を流しかけながら、ゴム手袋の上に軍手をはめて、なでたりブラシでこすったりして洗っていますが、パートの人を雇うと人件費がかかります。
一度に洗う量と時間は、大根は300~600本を2~4人で1~3時間、ゴボウは数10本~100本を2人で1~1.5時間、ニンジンは100~300本を2~4人で1~3時間、生姜は数10個~200個を2~4人で1~3時間と、時期によってまちまちです。
大根は比較的簡単に泥が落とせますが、にんじんはけっこう力が必要。ごぼうは土付きで出すこともありますが、納品先によっては洗浄が必要で、手作業だと1本に30秒くらいかかります。
ショウガは形が複雑で大きさもそれぞれなので、手作業で洗うと1個20秒以上かかりますし、意外と傷がつきやすいので洗うのが一番大変です。
ショウガのようにデコボコの根菜もあるので、それを効率的に洗うにはどんなタイプの洗浄機を選べばいいでしょうか?予算は特に決めていませんが、最近は農機も進化しているようなので、水をあまり使わないものがいいかなと思っています。
(高知県・山本さん/仮名・40代)
荒井 剛
株式会社AZx ウォッシングソリューション事業部 事業部長
水と気泡で洗う「二流体根菜洗浄機」なら、時間と水道代を節約できます
弊社の関係会社は、ガソリンスタンドなどにある洗車機や高圧洗浄機などを開発・製造・販売していますが、新しい市場を切り開くために、4~5年前からファインバブルを使った新しい洗浄技術の研究開発を行ってきました。
その結果、ファインバブルより泡のサイズが大きいミリバブルを使った洗浄技術が野菜を洗うのに適していることが判明し、水と気泡のふたつの流体で洗う「新しい野菜洗浄機」の開発に弊社が取り組むことになりました。
現在販売している「二流体根菜洗浄機」がまさにその「新しい野菜洗浄機」で、ショウガなどのデコボコした野菜を水と気泡でやさしく洗浄することができます。
この洗浄機の開発過程で行った実証実験では、長野県で、1日130キロもの「菊芋」(きくいも、からいも)を苦労して手洗いしている農家さんに出会いました。
冬の寒さのなかで手洗い洗浄にかかる負担を軽減したい一心で試作機を作ってお渡ししたところ、大変好評だったために、製品化に漕ぎつけました。
この「二流体根菜洗浄機」は、特許取得済みの水中ジェットノズルにより気泡(ミリバブル)を含んだ勢いのある水流を発生させることで、野菜の複雑なデコボコにこびりついた土を丁寧に洗い流すことができます。
また、水中で野菜同士をこすり合わせて汚れを落とす「水中ともずり方式」を採用しているため、水がクッションとなって衝突が和らぎ、野菜に傷がつきづらいことも特徴です。
通常の洗浄機で洗うと表面が削れて痛んでしまうような野菜や、園芸用のノズルで水をかけるだけで傷がついてしまうような野菜でも、やさしく洗うことができるので、廃棄ロスの低減に大きく貢献します。
ただし、この洗浄機で洗える野菜は40センチくらいまでの大きさに限定されるため、生育した大根やゴボウなどの長い野菜を洗うのには適していません。
洗浄時間は、手洗いと比較して半分以下。水を循環させて洗うので、水道代も半減します。
もちろん人件費の削減にもつながります。安い製品ではありませんが、使用していけば購入費用は回収できますし、導入して良かったという声が多数寄せられています。