新潟在住の米、野菜農家です。夏はトマトをメインに野菜を栽培しています。
収穫が一段落すると、手指が真っ黒になっており、石鹸で洗っても落ちません。
トマトのアクか土かは分かりませんが、半ば定着しつつあるので職業病かなあ~と諦めています。
しかし、たまに都会に出向いたりすると、手が真っ黒で人前に出すのが恥ずかしい。
何か、黒くならない工夫や落とす強力な洗剤のようなものでしょうか?そもそもこれは落ちるのだろうか?
(新潟県・前田久さん/仮名・40代)
新潟在住の米、野菜農家です。夏はトマトをメインに野菜を栽培しています。
収穫が一段落すると、手指が真っ黒になっており、石鹸で洗っても落ちません。
トマトのアクか土かは分かりませんが、半ば定着しつつあるので職業病かなあ~と諦めています。
しかし、たまに都会に出向いたりすると、手が真っ黒で人前に出すのが恥ずかしい。
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野地友美
栃木県鹿沼南高校 指導教官
黒くなったら落とす!それを可能にする洗浄剤を開発しました!
トマトの収穫や不要な芽を摘み取る「芽かき」などの作業中に手や服に付いてしまう「石鹸で洗っても落ちない汚れ」の正体は「トマトタール」で、相談者さんのご想像通り、トマトの灰汁(あく)のようなものに由来します。
実はこのトマトタールがとても厄介で、一度つくとなかなか取れません。まさに「トマト農家さん泣かせ」です。
そんなトマト農家さんにとって、私たちが開発してじき商品化される「手指用のトマトタール洗浄剤」が救世主になるはずです。
この洗浄剤には、栃木県鹿沼市の特産品でもある鹿沼土が使われています。鹿沼土は通気性や保水性の高さから園芸土として有名ですが、それだけではありません。
実は手をスベスベにする効果もあって、実際に、鹿沼土に含まれる成分を使った化粧品なども販売されているほどです。
よく石鹸などで「お肌に優しい弱酸性」とありますが、これは私たちの肌のpH(酸性なのかアルカリ性なのかを表す度合い)が4.5~6.0で弱酸性と言われているから。
鹿沼土のphはまさに4.5~6.0で手肌に優しい土なのです。そのため洗っても手が荒れることがなく、むしろ手がスベスベになります。
さらに最近の私たちの実証実験によると、鹿沼土は保温効果も高いことが分かってきました。
さらに、洗浄剤にはすべて天然由来の材料を使っているので、畑に流しても農作物には影響が出ません。環境保護の観点からみても時代にマッチした洗浄剤だと自負できます。
肝心のトマトタールによる厄介な手指の汚れについても、もちろん効果は実証済みです。
そもそも、この洗浄剤を開発するきっかけは、トマトの栽培実習の際に、ある生徒が、手を洗っても落ちない汚れに気づいたことです。そこで、地元のトマト農家さんに「どうやって落としているんですか?」と質問したところ、「市販の洗剤では落ちないから、トマトの果汁で洗っているんですよ」と、教えてくれたのです。
そこで「トマト果汁」と「市販の洗浄剤」の成分をそれぞれ調べていくと、pHが違うことがわかりました。
さらに実験を進めていくと、トマトタールの汚れが落ちるpHの値が判明。この結果を元に、地元の企業に協力してもらって、「手指用のトマトタール洗浄剤」は商品化に向けて大きく前進することになりました。
使い方は簡単で、汚れた手を洗浄剤でこすって洗いするだけ。それだけで、きれいでスベスベしっとり、トマトタールの汚れもなかったことのようなきれいな手に生まれ変わります。
汚れを「防ぐ」のは作業上、難しいと思いますので、「汚れたら落とす!」を徹底しましょう。
2021年8月現在はまだ発売前ですが、トマトタールによる汚れでお困りのトマト農家さんはぜひ、試供品を使用してみて、私たちに感想をお伝えください。
鹿沼南高校の食料生産科野菜研究班では毎年、生徒たちが課題を決めてさまざまな研究を行っていますが、2019年には私たちが開発した「手指用のトマトタール洗浄剤」が「第1回全国高校生農業アクション大賞」に選ばれました。
大賞受賞から2年が経ちましたが、この間も私たちは研究を続けてきました。初代メンバーの学校卒業や新入生の参入などで若干のメンバーの入れ替わりはあるものの、洗浄剤の研究は後輩たちに引き継がれ、いよいよ「市販化」という新たな局面を迎えようとしています。
今後も、私たちの研究にぜひご期待ください!
さち
はじめまして!
私もトマト農家をしています。
欲しいのですがどちらで購入できますか?
販売は始まっていますか?