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漁業でドローンはどのような活用ができるのでしょうか?

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漁業でドローンはどのような活用ができるのでしょうか?

ドローン利用に関する質問です。「スマート漁業」といわれ、さまざまなIT機器を活用する漁業が私たちの仲間の間でも話題になることがあります。

私も機械好きなので、こうした最新機器を使った漁業に興味が湧いています。

現在、私はマダイの養殖に携わっているのですが、最近、長崎県の五島市でドローンを活用したマグロ養殖について仲間から聞き、とても興味を持ちました。

五島市では、養殖の生簀の周辺海域をドローンで空撮し、そこに採水も組み合わせて海の状況を分析することで、赤潮を事前に察知して被害の予防を図ったりしているそうです。

私はまだ駆け出しの漁師なので、具体的にドローンを活用してこんな漁業をやりたいというイメージは持っていないのですが、現場でドローンを活用するとしたら、ほかにどのような活用の仕方ができるのでしょうか。
(愛媛県・矢野翔さん/仮名・20代)

糸野隆雄

株式会社セキド 営業2部 農業ドローン担当

養殖現場で赤潮の発生調査や餌まきなどに実験的に使われています

もっとも活用がイメージしやすいものとしては「水中ドローン」があるかと思います。

当社でも販売していますが、4Kカメラを使って水中の映像を簡単に確認する事ができるので、網の点検や網の底に引っかかっているものの回収作業なども、ダイバーに頼ることなく手軽に行えます

単純な点検用途であれば非常に安価(15万円ほど)で導入できます。

また、水中ドローンを購入する際に、気を付ける点としては「機動性」です。

水中ドローンはプロペラを回転させ水流を起こし機体を動かしますが、安い機体の場合、空中を飛行するドローンのように簡単には真横への移動が出来ないものもあります(そういった機体が横に移動する場合は、車のように切り返して横方向に移動します)。

水中の点検作業を行う場合は、目標物をカメラで補足したまま真横に動いて点検を行うので、この機動力がない機体を購入してしまうと点検作業の効率が大幅に落ちてしまいます。

当社で販売している機体ですと、いずれも真横への移動が可能で、水中で簡単な作業が可能なアームを搭載できるもの、ソナーやレーダー搭載して水が濁ってカメラだけではたどり着けない場所への点検が行える機体など、さまざまな種類の水中ドローンがあります。

また、空中を飛行するドローンを利用してのスマート漁業の実現という意味では、いまだ具体的な解決策が世の中にないというのが現状です。

水中ドローンのように「ものを買ってくればすぐに仕事が楽になります」という製品がない以上、既存のものを組み合わせて、自分で機材の転用方法を模索する必要があります。

例えば、農薬散布ドローンでは雑草を枯らす目的や虫や病気の防除のために粒剤を散布する機能があります。

この機能をうまく転用することができれば、配合飼料などを空中から散布することは可能だと思われます。

しかし、メーカが想定している使用方法以外の利用は、自己責任の部分がかなり大きくなりますので、コストがかかるドローンを導入する場合は、販売店さんに相談して、実証実験などで成果が見えてから導入することをおすすめします。

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古田充生

南榮工業 (株) ジャパンドローンセンター所属(DJI認定 マスター教官・1級整備士)

赤潮の発生の調査などの例はありますが、まだ実験レベルです

DJIでは農業ドローンのセンシングの機種を使って赤潮の発生を調査する事などもあります。

また、DJI農業ドローンに粒剤散布装置を装着して、餌を撒くなどを考えられている漁師さんもいらっしゃいます。まだまだ実用段階ではないですが、できたらすごく便利なものになりそうです。

しかし、漁業に関しては、既存の機体を応用してる感じで、まだ実験レベルですね。

現時点で漁業専用のドローンメーカーは無く、海に落ちるリスクの方が高いように感じます。防水のドローンもありますが、実用レベルには至っておりません。

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