中山間地域で稲作に励んでいます。当地では、少子高齢化の影響で人口の減少と農地の荒廃が進むばかりです。
豊かな自然あふれる田園風景を次世代に受け継いでいこうという意地で、少しずつではありますが、遊休農地を復活させて耕作面積を増やしています。
悩みのひとつは、田んぼが傾斜地にあるため、畦道の草刈りが大変だということです。
平地と違って除草剤が使えません。
草の根が地面にしっかりと根張りしていることが、土壌流出を防いでいるからです。
根まで枯らしてしまうと、地崩れが起きてしまいます。
また、草刈り自体も平地でやるのとは違い数倍は重労働となります。
足場の確保に気を使いますし、もし転んだり、滑ったりでもすれば大惨事です。
傾斜している水田の畦道の除草に最適な機械を教えていただけませんか?
機械を活用しながら、土地の草刈りを楽にする方法もあれば知りたいです。
(長野県・小林正隆さん/仮名・50代)
田中克樹
農と風土の学び舎
機械・環境整備・作業や刈り方の工夫・グランドカバープランツなどはいかがですか?
畦道の除草を楽にする方法としては、性能がいい機械を導入する、畔の整備や作業道の設置などの環境整備、作業方法(刈払機の使い方など)の改善、刈り方の工夫(草の高刈り)、植生の改変(グランドカバープランツの導入)などがあります。
最近広まってきたのが、自走式の草刈機です。とくに、斜面ではショルダー式の数倍の作業能力があるといわれます。
普及しているのは30万円前後の芝刈り機のようなタイプで、アーム(持ち手)部分が上下左右に動き、場所に合わせて細かな設定ができます。
例えば、アームを斜めに設定し斜面の上から刈ることも可能となります。広く傾斜のきつい土手(法面:のりめん)がある場合、トラクタの後部にアタッチメントとしてアーム式草払機を取りつける方法もありますが、高価なのがネックです。
機械導入ができなくとも、環境整備はできるのではないでしょうか。
例えば、土手の法面が広い場合、その途中に水平の足場を設置する方法です。小型の管理機で法面を削りスコップで突き固める方法や、市販の足場を設置する方法、法面に杭を打ち板をはめ、土を削り平らにする方法があります。
刈払機の使い方や刈り方など、慣れた作業も定期的に見直しと再確認はした方がいいです。草払機を自己流で使っている方は少なくなく、体への負担や作業の手間を増やしている場合が見られますよ。
例えば、草刈機の持ち手が腰のあたりに来るように肩掛けバンドを適切に調整するだけで、肩への負担がまったく変わってきます。刈り方としては、右から左方向へ振るのが基本です。振り幅は最大でも1.5mを目安に、あまり大振りをせず、刈刃を左にやや傾けると、刈った葉が左方向へ寄せられるので、後の草集めがとても楽になります。また5~10cmくらいの高さで草を高刈りすると、イネ科雑草を抑制できるので、草刈りの回数を減らせますよ。
最後は、グラウンドカバープランツのご紹介です。見栄えのいいものを選べば、景観もよくしてくれます。ヒメイワダレソウやノシバ、ヒベリカムなどはいかがでしょうか。できる限り地域の条件に合った種類を選ぶことをおすすめします。
とうきび
ハンマーナイフモアの斜面対応自走草刈り機を検索してみてください