夫婦で中山間地域の町に住んでいる農家です。子供は2人いますが、2人とも大阪へ出てしまい、ここに戻ってくる気はないようです。
毎年、あぜ道に生える草刈りを行っていますが、範囲が非常に広く、年々しんどくなってきています。3年前に電動草刈り機を購入しましたが、負担は変わりません。
操作するのに力が必要だし、足や膝にも負担が掛かり、マムシが出るなど作業自体も危険なので、どうにかならんかと思っています。
また、昔は刈った草を牛に食べさせていましたが、どこの農家も畜産はやめてしまったので、草の処理も大変です。
最近地区の集まりでも「さすがにこの年で草刈りはくたびれるわー」とみんなで話していました。その中で「ラジコンみたいな草刈り機があると聞いたけど、どんなもんかいな」という話が出ました。
「そんなもん使いもんになんねえ」という声もありましたが「もし実用で使えそうなら、地区のみんなで使ってみんか」という意見も出ました。
実際に、ラジコンのような草刈り機とはどんなものなのでしょうか?老人でも簡単に扱えますか?ぜひ、感想を聞いてみたいです。
他にも、草刈りの負担をこうして減らしているという実例があれば、教えて欲しいです。
(広島県・佐々木さん/仮名・70代)
東 直斗
株式会社クリアー
中山間地域の草刈りを補助するラジコン式・ロボット掃除機式の草刈り機の活用も
中山間地のみなさんにとって、草刈りを安全かつ楽にしたい!という要望は、近年特に増えてきています。
最近は、手で機械そのものを持っていなくても、手元の操作器を使って遠隔で操作できる、いわゆるラジコン式の草刈り機なども最近登場していますよ。
すべてバッテリーで駆動するタイプもありますが、刈り取りはエンジン式で駆動はバッテリー式というタイプもあり、こちらは比較的安価です(とはいえ100万円以上する物が多いです)。
斜度が30度もある傾斜地でも対応可能な小型タイプもあります。刈払機(草刈り機)を普段から使用されている方なら、操作はさほど難しくないはずです。
また、農林水産省が紹介しているリモコン草刈り機もありますが、ラジコン式の草刈り機はちょっと……という方は、共立やオーレックなどの畦草刈り機(斜面狩機)も最近人気ですので、ぜひそちらも検討してみて下さい。
岩崎真也
農学博士、国立研究開発法人研究員
自動草刈り機の普及が進んでいます!用途や予算で考えてみましょう
農作業を効率化するスマート農業の一環として、自動草刈り機の導入が進められています。山間部の急傾斜や人の入りづらい耕作放棄地で除草作業を行えることに加え、普段行われてきた人力による慣行作業(刈払機)と比べても、作業効率を上げることが見込まれています。
アテックス、クボタ、ソフトバンクなどが自動草刈り機を販売していますが、値段や維持費などは製品によって異なり(価格帯の目安は100万円~130万円)、用途・予算によって使い分けが可能です。
自動草刈り機も進化しており、従来のラジコンのようにリモートコントローラーを用いて操作するタイプに加え、近年はお掃除ロボットのように、機械が自動的に動いて草刈り作業を終えてくれたり、充電が必要になれば、充電ベースに自動的に帰ってくるタイプのロボット草刈り機も開発が進んでいます。