営農を始めて3年目のトマト農家です。
レイカなどの大玉トマトから、フルティカ、プチぷよ、チェリーメイトなどのミニトマトまで、10種類ほどのトマトを露地栽培で育てています。
しかし、トマトの色がまだらになってしまうことに悩んでいます。
トマトの色が部分的に薄くなるような現象なのですが、インターネットで調べるとカメムシが原因であると書かれていました。
確かに我が家は無農薬栽培を心がけているので、虫は多いかもしれません。でも、それほどカメムシは見かけません。
その割にまだらになっているトマトが多いので、日照不足など別の原因があるのでしょうか?
原因がよくわかりません。教えていただけないでしょうか。
(愛知県・花田さん/仮名・40代)
五十嵐大造
東京農業大学国際食料情報学部 国際食料情報学部(前教授)
トマトがまだらになった要因は、猛暑による強い日射量とカリウム不足が考えられます
症状はカメムシの害のようにも見えますが、相談者さんがそうでないと確信されているのであれば、別の要因を考えてみたいと思います。
どのような栽培条件下で発生したのかがわからないと断定はできませんが、カメムシのことに触れられているので夏場の栽培だと想定して回答します。
まだらのような症状は、病害ではなく生理障害によるものの可能性が高いです。
主な要因には以下の2つが考えられます。
まずひとつめは、日射量です。近年、夏の最高気温が35℃を超える猛暑日が連日記録されています。
トマトは強すぎる日射が果実に当たって果実温度が30℃以上の高温になると、リコピンの発現に影響し、着色不良になることがあります。
ふたつめは、カリウム不足による着色不良です。
高温により過剰な灌水を行った結果、窒素過多の状態を引き起こしてしまった可能性が考えられます。
さらに、カルシウムやマグネシウムの土壌施用が多いためにカリウムの吸収が阻害されてしまったことも要因のひとつではないでしょうか。
原則として、トマトにとって日射は必要不可欠なものですが、猛暑日が続いたときには注意が必要です。日除けなどの対策を行うとともに灌水、施肥量(とくに窒素、苦土、石灰)に気をつけるとよいでしょう。