石川県で稲作と旬の野菜づくりをしています。
年間を通じて畑をほとんど休ませることなく約50〜60種類ほどの野菜を育てており、土のバランスには気を配ってきています。
排水に関してもいろいろ試しており、いまのところは竹材やもみ殻を使っています。
とくに大きな問題はありませんが、瓦チップが良いらしいと知り合いから教えてもらいました。
自分で調べてみると、住宅の解体などから出たものを再利用して作られているようで、金額的には高価ではなさそうだし、排水効果も良さそうです。
しかし、本来は廃棄するものを再利用するということで、実際の安全性はどんなものなのかが気になっています。
実際に農地で活用した場合、土に悪影響は出ないのでしょうか?
(石川県・北村さん/仮名・30代)
亀井則幸
一般社団法人 瓦チップ研究会 有限会社立川実業
瓦チップは安全かつ劣化しないのが特徴です。農地改善にも効果大
耕作地の排水性を高めるために、暗渠排水にはもみ殻や竹チップなどが使われてきました。
こういった水が浸透しやすい疎水材は容易に確保できますが、腐食やメタンガスの発生などの問題点があります。
これらに代わるものとして全国的に注目されているのが、廃瓦を細かく砕いた瓦チップによる新工法です。
廃瓦は年間100〜150万トン排出され、今後、30年間で増え続けることが予想されます。
瓦チップ研究会は捨てられる瓦を活用しようと2012年に立ち上げた組織で、現在は全国に15社以上の会員がいます。
今では農林水産省から暗渠排水用の改良資材としても瓦チップは推薦されるまでとなりました。
私どもの研究会がある岐阜県、滋賀県、愛知県の中部地方では農家の9割に普及しています。
全国的にみても7〜8割に普及しており、ご相談者様がいる石川県でも能登半島の南部の農家さんに採用されています。
実際に瓦チップとして使われるのは、製法が異なるいぶし瓦と赤瓦の二種類です。
いぶし瓦は黒っぽいグレーの瓦で、土を焼き締めた後に燻化したもの。
赤瓦は粘土を焼いた瓦で、青や緑色の釉薬で色がつけられています。
気にされている安全性についてご説明します。
産業廃棄物処理法が制定される以前には重金属を含んだ釉薬が使われていたことがありましたが、現在はそんなことはありません。
国内の瓦製造元30社の製品を取り寄せて成分を調べたところ、まったく問題ないと裏付けられました。
農地の暗渠排水用に使われる瓦チップは、瓦を細かく砕いた10ミリから30ミリの粒を使います。
特徴は劣化しないこと。
さらに瓦チップには微細な無数の微細な気孔があって、これが保水機能として働きますので灌水量が減り、有益な微生物の住処となります。
土壌の通気性や透水性が改善されることで、根張りの促進や根腐れ効果も期待できるなど、さまざまなメリットがあります。
詳しくは弊社Webサイトをご覧になってください。