野菜本来の味を引き出したいので、農薬や化学肥料を使わずに作物を育てています。とくに、サツマイモは主力作物のひとつで、「紅あずま」「べにはるか」などを栽培しています。
一昨年あたりから、初期の段階でイモの表面にタテ線の凹みが出てくるようになりました。
凹み部分は変色しているわけではありません。表皮の見た目は正常です。
それまでは何の問題もなく収穫できたのですが、昨年は収穫時に凹み部分が割れて開いてしまうイモも出てきました。
神経質になるくらい気を配ってきているので、病気の可能性は低いと考えていますし、植え付けする時の深さは10センチくらい、畝高20センチ程度なので、土壌の水はけも悪くないと思っています。
以前はこんなことはなかったのですが、まわりの農家仲間や先輩に聞いてもハッキリした解決方法が見当たらないので、考えられる原因があれば教えてください。
(茨城県・大塚さん/仮名・30代)
山川 理
山川アグリコンサルツ代表、農学博士
「紅あずま」は裂開が生じやすく、「べにはるか」など新しい品種の栽培がおすすめです
「紅あずま」は収穫時期が遅れるとイモが大きくなりすぎ、裂開が生じやすいと言われています。
土壌水分や温度が大きく変化したり(特に多湿に注意)、ネコブセンチュウの感染が酷い場合でもひび割れや裂開が生じます。
「紅赤」はツルボケ、病気や害虫に弱いので有機栽培には不向きですね。
一般的に古い品種はイモの品質や耐病性に問題がある場合が多いです。
市場評価が高く、干し芋加工などに適した「べにはるか」の栽培をおすすめします。3年くらいなら連作も可能です。