鳥取の100アールほどの圃場で野菜を作っている農家です。
全国的に基腐病が流行っており、苗の購入が間に合わないため、今年から自分でサツマイモ苗の育苗をはじめました。
種芋から育苗するのではなく、ウィルスフリーのポット苗を購入し、それを増殖しています。
しかし、2月下旬~3月上旬にかけて植え付けた元株が、葉脈に沿って白っぽくなってしまいました。生理障害か何かでしょうか?
品種は紅はるかとベニアズマを育てていますが、紅はるかに強く表れる傾向があります。
育苗はハウスの中で行っており、温床などは特に行っていません。原因を教えてもらえると助かります。
(鳥取県・山本さん/仮名・40代)
山川 理
山川アグリコンサルツ代表、農学博士
サツマイモの葉の表面の細胞がカルス化して、泡状の組織が発生したものですが、害はありません
写真はありませんが、相談者さんの苗の状態は、葉脈に沿って、ブツブツした粟粒状の突起ができているものと想像しています。
サツマイモの葉は高温多湿条件が続くと、表面の細胞がカルス化(植物細胞の塊のこと)して、泡状の組織が発生します。
特に害はないのですが、乾燥すると茶色く変色するので見栄えが悪くなります。
ときどき、トンネルやハウス内を換気して、湿度や温度を下げてやれば、カルスが発生しにくくなります。
サツマイモの葉は虫が好んで食べますが、ポリフェノールの含有量が多いせいか、病気にはかかりにくいと思われます。
一方、黄色の円形のシマ、葉の変形などの症状があった場合は、ウイルス感染を疑って対策が必要です。