栃木県で紅あずまや紅はるか、安納芋、シルクスイートなど、多品種のサツマイモを中心に育てています。
土の力を最大限に引き出すことを考え続け、20年ほど有機肥料だけで育ててきました。
そんなわけで土には非常に自信を持っていますし、もちろん味も誰にも負けないつもりです。
しかし、先日、その自信が大きく揺らいでしまうことがありました。
それは畝立ての方法についてです。
私は今まで何の疑いもなく高さ20〜25cmほどの南北畝で育ててきました。
しかし、場合によっては東西畝にしたり、畝自体に高低差(角度)をつけた方が生育しやすいと聞きました。
さらに、畑の位置による風の流れにも畝は影響を受けてしまうとか?
今まで土のことばかり考えていましたが、畝については高さ以外についてはまったく意識してきませんでした。
いまさらまわりに聞くのは恥ずかしいので、光や風との関係も含めてを畝作りの基本を確認したいです。
(栃木県・山崎直弘さん/仮名・50代)
山川 理
山川アグリコンサルツ代表、農学博士
サツマイモは水はけが第一です。排水のことを考えて育てましょう
サツマイモの場合は畝が25cm以上高い方が望ましいのですが、最近のマルチャーを使って畝立てと同時にマルチ張りをすると25cm以下になってしまいますね。
この場合、雨の多い気候では過湿になりやすく、糸状菌によって葉や茎が枯れてしまう基腐病(もとぐされびょう)の発生原因にもなります。
それを防ぐためには排水路を整備し、畝の水が排水路へ流れ込みやすい対策を行うことです。畝の向きは南北のほうが日当たりが平均となり良いと思います。
サツマイモには水はけが第一です。イモは畝の底より下まで伸びていくので、畝を作る前には深く耕してください。
私のところは米ぬかを10アール当たり全面に80キログラム、木灰を筋状に施肥するだけで連作しています。無マルチですよ。