春まきキャベツ栽培で、なぜか芽が出ませんでした

YUIME Japan編集部 / 2024.06.20

生産方法

#葉茎菜類 #岐阜県 #キャベツ

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岐阜県で季節野菜を作っています。

今年も例年通り、春撒きでキャベツの種をまきましたが、ほとんど発芽しませんでした。

品種は寒玉系の「彩峰」です。

隣で同じタイミングに育苗していた枝豆は発芽していたので、なにか気温以外の理由があるのではと感じています。

一般的な栽培手順の通り、セルトレイに一粒ずつ種をまき、屋内で発芽適温を維持し、土が乾く前に適宜潅水をおこなっていました。

気温以外に可能性がある理由はありますか？
（岐阜県・持田さん/仮名・50代）

イチロウのゼロイチ農業（旧さいこうやさい）

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春巻きキャベツの発芽には温度管理と水分量がかなめ。水の与えすぎは温度低下を引き起こすので要注意！

ご相談ありがとうございます。発芽を揃えることは当たり前のことですが、わかるまでは非常に難しいことです。

発芽の問題は…成功例を知っていないとなかなかうまくいかないため、順を追って解説していきたいと思います。

岐阜県ということで、僕が行う愛知県とは気温や種まき時期が多少変わってくると思います。

そのあたりを考慮しながら、具体的に誰にどう指示を受ければいいかも合わせて僕の経験を参考にしていただければ幸いです

〇春まきの基準
まず、春まきの種まき時期としてですが、愛知県の場合、11月から12月に播種し、苗ができるのが2月頭から3月頭での「春植え」ということになります。

なので、春に種をまいていては遅いので、そのあたりをご注意いただければと思います。

参考にしていただく品種は「若女将」というキャベツの品種で、種まきと植える時期が上記と一致するものになります（平暖地基準ですので、岐阜が高冷地基準として種まきをする場合も月だけずらして同じ流れになって来ると思われますが、正確な月は種苗会社から指示を受けるのが正確です）。

この辺りは、地域で同時期に種まきしている農家がいらっしゃれば直接聞いた方がよいと思います（温度帯が違うと種の指標とかなり違うことがあるためです。農家がいらっしゃらない場合は種屋さんに直接「種まきと植え付け時期の指導」をもらった方が上手くいくと思います）。

上記ができている上で…夏とは違い、30日では苗ができず、2か月から3ヵ月植えるまでにかかります（種まき時期で1か月でできている場合は電熱線などを利用し、夏の条件が再現できる場合のみになるためご注意ください）。

ここまでで種まきから植え付けの期間が分かったと思いますが、問題の発芽を解説したいと思います

〇発芽までの「感覚」

まず春に植えるために寒い時期に種まきをするため、条件が整わないと発芽しません。今回は条件が悪かったのが予想されます.

発芽が上手く揃う条件は以下です。

・11月から12月ハウスで加温しない場合、発芽が揃うまで約20日くらい(愛知県の気温での場合)
・種まき時にセルトレイの土は水分をしっかり含ませて遮光60％の寒冷紗をべたがけし、20日を目安に揃うまで表面が乾かないように管理する
・表面が乾けば湿らせるのですが…水を与え温度が下がれば発芽不良の原因になるため、少量に留める。基本的に「乾かない環境にするための寒冷紗」を行う
・上記の条件で発芽させる

という流れになります。

夏場にくらべ、発芽は揃いやすいので、「温度変化による発芽不良」が一番の原因と思われます。

〇種まきから収穫までの流れ

1、発芽を揃わせる
2、植え付け時期までの期間を正確に知って育苗する
3、植え付けて収穫までの管理（ナメクジやアオムシ、アザミウマ等の管理）

という流れになるので、夏作に比べてシビアですが管理方法を知っていればうまく栽培することができますので、師匠を見つけて同じように栽培されると管理のタイミングなどをその時その時で学べ、成功させることができます。

僕もキャベツを100t出荷しておりますので、また具体的な質問がありましたらこちらでもYouTubeでも質問してくださいね。

うまくいくことをお祈りしております。