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輪作に大豆栽培をはじめたがサヤがつきませんでした。原因と対策を教えて

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輪作に大豆栽培をはじめたがサヤがつきませんでした。原因と対策を教えて

北海道の農家です。安定した土壌作りを目的に輪作をしています。これまで稲と小麦で進めてきましたが、今年から新たに大豆栽培を加えて3品目に挑戦しています。

しかし初年度、大豆栽培がうまくいかなかったのでアドバイスをお願いしたいです。

敷地の大きさは30ヘクタールほどありまして、半分が水田、もう半分の方で他の栽培を行なっています。

今回の大豆の追加に合わせて田畑転換を行いました。

はじめは葉や枝が大きく育って順調だったのですが、その後は、あまり莢(さや)が実らず、最終的に収量がとれませんでした。

水田から畑にしたタイミングで大豆を育てるのが良いと聞いていたのですが、なにか気をつけるべきポイントがあったのでしょうか。

今後も大豆の収量を増やしていきたいので、考えられる原因と対策を教えてください。
(北海道・稲本拓巳/仮名・40代)

西田瑞彦

東北大学 栽培植物環境科学分野

「大豆を作ると土地が肥える」は間違いです。地力を高める工夫が必要

よく農家さんの間で「大豆を作ると土地が肥える」とか「大豆の後に水稲を作ると良く育つ」と言われていますが、実はこれには誤解があります。

農研機構などのグループが全国で行った調査によると、水田を転換して大豆を作付した畑では、軒並み地力が低下するということが明らかになっています。

悪くなるのは窒素だけではなく、土が固まって通気性や水はけ、水持ちなどが悪化し、根粒の窒素固定に影響を及ぼしているのです。

大豆などマメ科の植物は根粒(根に生じるコブ)が窒素を固定してくれるという性質があるのは確かですが、地力を高める工夫をしなければ、正確に効果が発揮されません。

地力を高めるには、堆肥などの有機物を入れて地力を回復させることが基本です。

しかし、相談者さんのケースでは、生育前半に葉が茂りすぎたか(過繁茂)、後半で栄養不足になったのではないかと考えられます。

あるいは、そのどちらも起きていた可能性もあります。

これを解決するには培土期や開花期に適したコーテイング肥料を施用して、肥料の効果が現れる期間をコントロールし、窒素不足になりがちな中後期に養分を吸収できるようにすると良いでしょう。

かつて山形県農業試験場が行った研究で、相談者さんのケースによく似た例がありました。

河川の上流から運ばれてきた土砂が蓄積してできた「沖積土壌」の水田転換畑によく見られる現象だそうです。少し古いデータにはなりますが、参考にしてみてください。

また、農研機構では生産者が簡易的に畑を診断できる「大豆栽培改善技術支援マニュアル」を公開しています。

こちらも合わせて、使われてみてはいかがでしょうか?

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