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ハウス内の飽差管理がうまくいかない!おすすめの飽差コントローラーを教えて!

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ハウス内の飽差管理がうまくいかない!おすすめの飽差コントローラーを教えて!

北海道でアスパラガスのハウス栽培をしています。

味が濃厚なアスパラガスを作るために、特にハウス内の飽差管理に注力して取り組んでいます。

この辺りは元々昼夜の気温差が激しい地域ではありますが、これまではある程度の経験と勘を頼りに、手動でハウス内の飽差を調整していました。

しかし、異常気象が頻繁に発生し、調整がうまくいかないことが増えてきました。アスパラの生育にも影響が出てしまい困っています。

そこで、飽差管理コントローラーを使った自動化を検討しています。

せっかく自動化するのであれば、多少費用がかかっても厳密に管理できるものを使いたいです。

性能とコストのバランスが良いおすすめの飽差コントローラーを教えてください。
(北海道・下山清史郎さん/仮名・30代)

深田正博

(株)ニッポー チーフアグリアドバイザー

飽差管理をするために潅水装置を導入してはいかがでしょうか

アスパラガス栽培においては、ミスト装置の導入による飽差管理やその自動化は過剰投資になるケースが多いため、潅水装置の自動化を検討されることをおすすめいたします。

なぜ飽差管理をするのに潅水装置なのか?と思う方もいらっしゃるでしょう。

そもそも飽差管理の目的は、作物を栽培する空間の「急激な」乾燥、または「極端な」乾燥を抑えて「気孔が閉じるのを回避する」ことにあります。もし気孔が閉じれば(1)光合成の材料である炭酸ガスの取込み、(2)蒸散による体温調節、(3)根からの吸水、(4)肥料吸収などができなくなる結果、作物の生育に最も大切な「光合成」が停滞してしまうからです。

一般的な教科書や各種セミナーでは適正な飽差値として3~7g/㎥を指標としていますが、最近の研究では飽差値が高い条件下であっても、潅水がこまめにできていて土壌水分が維持されており、根が健全であれば、気孔が閉じないことがわかってきています。乾燥が進むとともに気孔がさらに開く傾向にあることも明らかになっています。この部分は誤解されている人もいまだ多いようですね。

そのため、これまでの乾燥→気孔閉鎖という概念は気にしなくても大丈夫です。

つまり、気孔を閉じさせないために大切なのは、土壌水分をこまめに潅水で維持すること、湿度の変化を緩やかにすることだと覚えておいてください。

アスパラガスについても、灌水を過不足なくこまめに行うことが重要ですが、作物からの蒸発散量は、太陽光の強弱に大きく影響されます。下は、ハウス栽培のトマトに関する日射量と蒸発酸量の推移を示したグラフですが、雨やくもり、晴れの日、季節によって蒸発酸量が大きく変わっているのがわかるでしょうか?天気や季節の変化に伴って、灌水を過不足なく実践することで、水分不足による気孔閉鎖が回避できます。

トマト栽培におけるハウス内積算日射量、蒸発量」のグラフ

当社が開発した日射比例式潅水コントローラの「潅水NAVI(ナビ)」は、灌水量とその頻度を、天候と季節で適切に調節することができる制御装置です。灌水と同時に、薄い液肥を混ぜることで、肥料不足にも対応できます。越冬栽培はもとより夏秋栽培、雨よけ、単棟ハウスにおいても低コストで重要なポイントを押さえた灌水環境制御を可能にしています。さらに空間の飽差の程度も監視しながら、日射量に応じて灌水の頻度やタイミングをコントロールすることも可能です。

これらの計測データをグラフ化し、パソコンやクラウドも使いながらスマート農業の基本を実践できます。

上記とは別に、ハウスでのアスパラガス栽培の場合、ハウス内と外気の温度差や湿度差があるなかで、急激に換気を行うのは、気孔の蒸散に影響を与えますので、緩やかな換気が重要です。特に、立茎後に葉が開いてからは注意が必要です。前述の「灌水ナビ」には、ハウス内の換気を温度で制御できる機能もつけられるので、必要であれば温度設定で換気や緩やかな開閉制御を行うことができます。

また夏場のハウス内の極端な気温上昇は、作物にストレスがかかり、「灰色かび病」の発生をまねくことがありますが、この問題についても「灌水ナビ」では日射の強さによって、遮光カーテンを開け閉めすることが可能になります。

導入しやすい価格帯で提供されているので、一度検討してみてはいかがでしょうか。

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東榎田 晃太郎

inaho株式会社Agri communicator

アスパラガス栽培における飽差制御の自動化は困難です

今回、アスパラガスでの飽差管理が行われているという話を聞いたのは初めてです。

全国のアスパラガスハウスはパイプハウスと呼ばれる簡易ハウスが主流かと思いますが、飽差コントロールが出来るような施設でないという認識でした。

私の知る限りでは、アスパラガスと飽差という観点での研究なども行われていないと思います。

inahoとしても知見がなく、十分な回答が出来ずに申し訳ありません。

仮に飽差コントロールが可能なハウスを建てて栽培することになったとしても、現状の収穫量や年間平均単価を考慮すると、高度な環境制御ハウスは採算が合わないのではないかと思います。

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