北海道の道東で大豆、小豆、金時豆、小麦、じゃがいもなどを育てています。
小豆は小規模で作っており、道の駅やインターネットを活用して販売しています。
しかし残念なことに小豆は売れ残ることが多く、どうしたらいいのか考え中です。
ほかの農家さんの小豆と比べると、どうやら色ツヤが良くないのが売れない原因のようです。
そこで、小豆の色ツヤをもっと良く、もっとピカピカにしたいです。
いまは中古で手に入れた研磨機を使っています。メンテナンスの方法もわからないので、ちゃんと手入れもせず使っていました。
小豆をピカピカにするために新しい機械を買うわけにもいきません。昔は両親が手で磨いていましたが、さすがに手間ですし人手も足りません。
例えば機械の研磨部分に何か細工をするとか、小豆を保存しておく袋の種類を変えるとか、できるだけ手間を増やさないで小豆をピカピカするアイデアを教えて欲しいです。
(北海道・加藤さん/仮名・40代)
原圭祐
北海道立総合研究機構中央農業試験場 農業システムグループ
研磨機の種類を確認し、目的に合わせて使い方や部品を変えてみましょう
ピカピカに輝いている色ツヤの良い小豆は、たしかに魅力的ですよね。
ご相談者さまが希望されているツヤ出しや研磨の向上は、研磨機の使い方や細工などによって実現可能です。
まず研磨機の種類ですが、「湿式」と「乾式」の2タイプに分かれており、研磨材に加水する方式の湿式タイプは汚れ除去性能が高く、乾式タイプはツヤ出しに効果的です。
ご相談者さまがご使用の研磨機は研磨部の材質が綿布で湿式タイプになりますので、加水量を調整して研磨するのがいいでしょう。
汚れ除去効果を高くしたいときは加水量を増やし、ツヤ出し効果を出したいときは加水量を減らす、もしくは乾いた状態で研磨します。
汚れ除去とツヤ出しの両方の効果を発揮するためには、1回目は綿布に加水し、2回目は綿布が乾いた状態で2度掛けする方法もあります。
また、機種によっては目的に応じて部品を交換して使用する方法もあります。
通常、ツヤ出しを優先するために研磨機のロータには皮革が取り付けられていることが多いようです。
しかし皮革の替わりに耐水研磨紙を貼り付けて研磨しますと、ツヤ出しよりも吸水性を向上させることができます。
さらに研磨紙によって小豆表面に微細な傷が形成されることで、加工する際の吸水性が高くなります。
結果として煮えムラが格段に小さくなるというメリットとなります。使い方や部品を変えるといった手間をかけることで、小豆が見違えるようにピカピカになるはずです。