menu
Pull to refresh

ドローンを使った農薬散布はヘリコプターよりもメリットがある?

文字サイズ

拡大 標準

ドローンを使った農薬散布はヘリコプターよりもメリットがある?

これまで農薬の散布はヘリコプターで行なっており、近隣の農家さんと共同で利用しております。

最近はドローンで農薬散布ができるという話を耳にし、以来ずっと気になっています。

ヘリでの農薬散布は飛行中の騒音も大きく、費用もかかります。

また共同利用ということもあり、自分のタイミングで散布ができません。

そこで手軽そうなドローンに切り替えようかと検討していますが、ドローンは風に飛ばされてしまい紛失する可能性もあると聞きますし、一度に散布できる量がヘリに比べると少ないとのことで、逆に手間が増えてしまうのではないかと二の足を踏んでいます。

農薬散布を行う際、ヘリを使うかドローンを使うか、それぞれのメリット、デメリットを教えていただきたいです。
(山形県・小林武志/仮名・40代)

糸野隆雄

株式会社セキド 営業2部 農業ドローン担当

ドローンの使用は、保有している圃場や条件に合わせて選択を。各種補助金も上手に使いましょう!

ひと口に農業用ドローン、産業用ラジヘリといっても、5リッター搭載の小型産業用ラジヘリもあれば、30リッター搭載可能な大型ドローンもあり、単純に比較できるものではありません。

基本的に、小型のドローンでなければ撒くことが出来ない圃場、大型のラジヘリでなければ達成できない条件での農薬散布もあります。

どちらもスペックによって「使用に適している圃場」が異なりますので、「どちらがいい」ではなく、ご自身の保有している圃場にはどちらが合っているのかという視点で考えていくと良いでしょう。

そこで、今回は参考として当社で扱っている農業用ドローンであるDJI製農業用ドローン3種類を例に、それぞれが適している圃場や散布条件についてご紹介させていただきます。

ご質問者様はすでにラジヘリを運用されているとのことですので、共同保有のラジヘリの利用を取りやめてドローンに置き換えるか検討されていることかと思います。

ご検討されているドローンにはどのような特徴があるのか、またどのドローンが質問者様の圃場によりマッチしているのか参考にしていただければ幸いです。

「DJI AGRAS T10」は、いわゆる10リッター機という区分のドローンです。メーカーの公式PVで原付バイクの荷台に乗せて移動している様子が紹介されているほど、コンパクトで取り回しの良い機体です。

そのため気軽に運用が行える点が最大のメリットといえます。

また当機種は、1日の散布面積が10町歩以下※( 産業用ラジヘリ、ドローンに係わらず1日で散布可能な面積は圃場1枚当たりの面積や各圃場間の距離に大きく依存します。

あくまで個人の農家様を想定した、平均的な圃場で運用した場合の参考値)で、田んぼ一枚当たりの面積がが5反以下の圃場に撒くことが多い場合に使い勝手の良さを発揮することができるでしょう。

中山間地など変形圃場で散布することが多かったり、女性や年配の方がメインで運用することが多い農家さんにもおすすめです。他機種と比較して軽量なため、力のない方でも扱いやすいです。

「DJI AGRAS T20」は中国では20リッター機として販売されているモデルですが、日本では1町歩に散布する液剤の量との兼ね合いで16リッター搭載可能なドローンとして販売されています。

T10に比べて大型ですが、同一容量のラジヘリと比べれば充分に小型。アームを折りたためば、ワンボックスタイプの軽自動車でも余裕で運搬可能です。

1日の散布面積が20町歩以下※で、田んぼ一枚当たりの面積が2反~1.5町歩の圃場に撒くことが多い農業者に向いています。

機体の大きさとの兼ね合いで、中山間地や変形圃場の使用時は、T10と比べると機体の取り回しが悪いと感じるかもしれませんが、実際には 散布幅を工夫することでそういった圃場でも十分に運用可能です。

「DJI AGRAS T30」は最大で散布幅が9mとなっており、今までのドローンでは達成できなかった条件でも散布を行うことが可能なほど、3機種の中では最も馬力のあるモデルです。ドローンで農薬散布を行っている方々にとっては、待望の30リッター機といえます。

折り畳み可能で、ドローンの運搬自体は手軽そのもの。1日の散布面積が35町歩以下※、田んぼ一枚当たりの面積が5反以下の圃場に撒くことがほとんどないといったような、広大かつ平坦な敷地で使用したい農業者向けです。

パワーがある分、重さもありますので、力仕事に自信のある方が2名以上いることが望ましいです。

上記3機種共通の特徴としては、誤差精度数センチ以内という高精度、完全自動飛行を活用することで空散作業にかかる労力が大幅に削減できる点です。

自動飛行を行わない場合でもマニュアル飛行をサポートしてくれる半自動航行モードがあり、職人技のような操縦技術がなくても、均一にむらなく適切な量の農薬を散布することができます。

またメンテナンス性が良く、年間の点検や万が一の修理費用が安価で済む場合が多く安心して使用できます。もちろん、散布時の騒音やコストについては、いずれの機種も大型のラジヘリとは比べ物にならないほど軽減されますよ。

ラジヘリをドローンに置き換える場合、機材の購入費用が初期投資にかかることはもちろん、ドローンの操縦技術習得のための講習を受けたり自主練習をしたりと、時間やコストはかかります。

そういったものがネックとなり、「ドローンへの置き換えをしたいけどなかなか」と思っている方は各種補助金を使って賢くドローンを導入してはいかがでしょうか。

当社では、補助金を活用したドローン導入をお手伝いするサービスも行っております。ご興味のある方は是非お問合せください。

シェア

COMMENT

この記事を誰かに教える /⾃分に送る

お気に⼊りに登録
ツイート
シェア
送る
NOTE

会員登録と⼀緒に公式LINEに登録すると便利です。

業界ニュースやイベント情報などが届きます。

友だち追加

関連するお悩み

農薬散布用のドローンを使用する際には、どんな許認可や届出が必要ですか?
農薬散布におすすめのドローンは?維持費はどれくらいかかるの?
ドローンを導入したが充電や準備に時間を取られます。時短するコツはありませんか?

あなたの悩み
YUIMEで解決しませんか??

農業や漁業に関する悩みや疑問や不安、
悩みごとについておよせください。
いただいた投稿から選考した相談内容について、
編集部や専⾨家がお答えします。

Loading...