明治時代末期から、馬鈴薯の栽培が盛んな地域で、馬鈴薯に加えて、葉物やにんじんなどを栽培していますが、おかげさまで好評をいただいています。
ほとんどの作物は直売所に卸していますが、直売所のような場所では見栄えの良さが好まれるため、虫食いのあるものなどは極力省いて出荷しています。
ですが、どうしても袋の中に虫が入ることがあります。
収穫から包装するまでの間、念入りにチェックはしているのですが、どこからか侵入してしまうようです。
害のある虫ではないので、大目に見てほしいというのが本音ですが、芋虫や羽虫のような虫が付着していれば、購入する側は不快ですよね。
無農薬や減農薬だと虫もつきやすいので、安心安全の証と思ってほしいところなのですが…。
こういったトラブルでクレームがくるのを避けるために、虫のつきにくい野菜や果物があれば、ぜひ教えてください。
(広島県・森井さん/仮名・50歳)
村山邦彦
伊賀ベジタブルファーム株式会社
適正施肥を徹底しましょう。病害虫に強い品種は、自家採取された固定種が良いと思います
質問者さまの「無農薬や減農薬だと虫もつきやすいので、虫食いは安心安全の証と思ってほしい」という気持ちは、痛いほどわかります。
しかし、有機農業に取り組むプロの生産者の方々は、試行錯誤を繰り返しながら、農薬を使わずに、栽培上のテクニックで病害虫を最小限に抑えるさまざまな術を培ってきました。
技術面で考えられる基本的な対策として、技術面では施肥を控えて適正な量におさえることが挙げられます。肥料(窒素)が過多になると、どうしても虫が寄ってきやすくなります。
また、病害虫に強そうな種苗を選んでみるという方法もあるかもしれません。
市販の一般的な種苗の場合、収穫量が多く生育がそろうなどのメリットがある反面、農薬使用を前提に作られていることも多く、病害虫に弱い面もあるようです。
自然栽培で自家採取をされた固定種を交換する場などもあるので、そうしたところで種を探してみるのもいいかもしれません。例えば「シェアする“たね”プロジェクト - Share Seeds」などの取り組みもあります。