menu
Pull to refresh

落花生の風味や味を濃くする栽培方法を教えてほしい

文字サイズ

拡大 標準

落花生の風味や味を濃くする栽培方法を教えてほしい

落花生の栽培を行っている農家です。うちでは30アール規模の圃場で落花生を
栽培しています。品種はナカテユタカです。

産地ではない京都の粘土と黒土(黒ボク土)が混ざった農地で作付けをしています。

しかし、産地である千葉や茨城などに比べると、味の濃さに少し違いを感じてしまいます。

食感や水分値は同じだと思いますが、香りや味は薄いと思います。

収量は問題ないのですが、味を良く(濃く)する方法があれば教えていただきたいです。
(京都府・上澤さん/仮名・30代)

梅津裕一

あんばい農園

落花生の豆の味は、播種から約80日後の灌水、収穫タイミング、乾燥期間により決まります

煎り用落花生の豆の味は、播種から約80日後の灌水、収穫タイミング、乾燥期間の3要素によって決まります。

まず播種から約80日後に1度だけ行う灌水作業は、実をしっかりと成長させるために実施します。

しかしそれ以降にも水を多量に与えたり、大雨などにあって土壌中に過剰に水分がある状態が続くと、実の中で味の決め手となるショ糖(スクロース)と割合が減ってしまいます。

特に砂地や火山灰土でなく、粘土質の團場では見た目以上に土壌中の水分率が高まりがちですので、注意が必要です。

次にナカテユタカの収穫タイミングですが、千葉県において開花期から85日程度とされています。

その年の気候による影響は多分にあるものの、基本的にこの日数よりも早くとったり遅すぎたりすると実に味が乗らず、低品質になりがちです。

論文によると開花期後85〜100日程度で甘みや実入りが最大となるとの結果が出ています。

最後に収穫後の乾燥についてですが、千葉県では落花生を積み上げて自然乾燥を行う伝統的な『ぼっち』と、近年の台風や大雨に対する対策としてトンネル乾燥があります。

前者は天候や獣害リスクを負うことになりますが、秋のからっ風を使ってゆっくりと水分を抜いていくために味が濃くなると考えられています。

後者は1週間ほど地干しした後、トンネル内にて3週間ほどで乾燥していく手法です。

天候や獣害リスクは低くなるものの、トンネルの開け閉めを怠ってしまうと急激な乾燥になり、食味を損なう可能性があります。

ナカテユタカの選択は良いと思います。

ただ上記に示唆した3点の要因に対するアプローチは、生産現場の気候・気温・風向・日照時間・湿度などの様々な外的要因によって、調整が必要になってくると思います。

参考にしていただいて、ご自身の経験と照らし合わせながら取捨選択していただければと思います。

もし病気が多くなってきた、もっと甘味の強い落花生がつくりたいなどありましたら、あんばい農園で育てている「Qなっつ」という最新品種がおすすめです!

今年は落花生栽培にとっては厳しい気候になると予想しておりますが、お互いに良い落花生が収穫できるように頑張っていきましょう!

シェア

COMMENT

この記事を誰かに教える /⾃分に送る

お気に⼊りに登録
ツイート
シェア
送る
NOTE

会員登録と⼀緒に公式LINEに登録すると便利です。

業界ニュースやイベント情報などが届きます。

友だち追加

関連するお悩み

ニームオイルに興味があります。じゃがいも栽培でも効果はありますか?
肥料用魚粉で野菜のうま味が高まるって本当?メリットとデメリットが知りたいです
生もみ殻を土に混ぜたときの効果や肥料との関係を教えて欲しい

あなたの悩み
YUIMEで解決しませんか??

農業や漁業に関する悩みや疑問や不安、
悩みごとについておよせください。
いただいた投稿から選考した相談内容について、
編集部や専⾨家がお答えします。

Loading...