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パッションフルーツの露地栽培で早期に収穫する方法はないでしょうか?

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パッションフルーツの露地栽培で早期に収穫する方法はないでしょうか?

パッションフルーツを栽培している農家です。露地栽培を行っていて、畝は平畝で畝幅100センチほどで育てています。

寒冷地でパッションフルーツの栽培を始めてから3年目になりますが、毎年、定植後の成育に苦労しています。

苗の植付は5月中旬に行っているのですが、生育が伸び悩み、収穫は8月末くらいにずれ込みます。

ハウス栽培に変えれば、苗の成長を早めることができると思いますが、資金がありません。

露地栽培でもうまく成長させ、早く収穫する方法はないでしょうか?
(福井県・森さん/仮名・50代)

前田隆昭

南九州大学 環境園芸学部 環境園芸学科 教授

パッションフルーツを早期に収穫するには、圃場定植前に大きな苗を作っておくことが重要です

近年、パッションフルーツは、アサガオやニガウリ(ゴーヤ)のように、夏場のグリーンカーテンとしても利用されています。

熱帯・亜熱帯地域が原産ですが、最近では本州でも露地栽培されています。

ご相談者さまが福井県で栽培されているように、岐阜県などでも栽培されていますが、ポイントは大苗を定植することです。

どのような仕立て方で栽培されているかは、質問内容からはわかりませんが、吊り下げ型の整枝法となると、植え付け時の主枝の長さが2m程度あった方が、その後の生育がスムーズかと思われます。

ご相談者さまの収穫時期は、8月下旬とのことですので、おそらく6月下旬に受粉がピークを迎えているのではないかと推察されます。

しかし、この時期は福井県も梅雨時期であるため、降雨により花粉が破裂して、結実が不安定になることも懸念されます。

上記のようなことから、遅霜の心配がなくなったら、大苗を早めに定植することが早期に収穫するためには重要です。

次は、いかに大苗を育成するかがポイントとなります。

ご相談者さまも、苗木育成は、おそらくポットを使って挿し木による繁殖だと思われます。秋に挿し木して、まっすぐ上部に2メートル程度伸ばしておけば、それほどスペースをとらないのではないかと思います。

何とか12月ぐらいまでに2メートル程度の苗を育成して、冬場は気温が5度以下にならないような場所(例えば、他の農作物を栽培している加温および無加温ハウスの隅など)で越冬させてはいかがでしょうか?

福井県の場合、無加温ハウスで気温が0~5度を下回らないのは厳しいと思いますので、ハウス内を二重張りにするなど保温効果を高める対策を講じる必要があります。

一方、ハウスがないという条件であれば、不織布やコモなどで苗木を保温して、冬の夜間から早朝にかけての時間帯は、家の中に移動させるなどの対策を検討されてみてはいかがでしょうか?

この場合、苗木が数本ならば可能かもしれません。

とにかく、植え付け後のパッションフルーツを早く成長させ、早期に収穫する方法は、大苗を春先までに準備しておくことしかないでしょう。

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