香川県でパッションフルーツを栽培している30代の農家です。ハウス4棟分の規模で栽培しています。
毎年のことなのですが、収穫時期より少し前にはパッションフルーツの木の下にネットを敷いたり、果実ひとつひとつにネットをかぶせたりしています。
これは、パッションフルーツが収穫時期より前に地面に落ちてしまうためです。
しかし、この作業にかなり手間がかかるので、どうにかできないかと考えています。ネットをかぶせるのはもちろんなのですが、収穫する際にネットを取り外すのも手間なのです。
手間がかからない方法はないでしょうか。
(香川県・榎本さん/仮名・30代)
須貝卓也
カイセイ農研株式会社 瀬波南国フルーツ園
パッションフルーツが落ちる箇所を洗濯バサミで挟んで落下しないようにしています
パッションフルーツは熟してくると自然に落下します。
落下したら収穫のタイミングなのですが、落下時に地面や障害物に当たると傷が付いてしまいます。
そうならないように、実が切れて落ちる箇所を洗濯バサミではさんで落下しないようにしています。
収穫するときは、ひとつひとつ洗濯バサミを取り外しながらの作業になるので、時間はかかりますが、傷をつけないように丁寧に収穫するようにしています。
マンゴーと同じで自然落下が収穫のサインであるパッションフルーツですが、この種はツルから切り離される場所が決まっているため、実は誰でも簡単に行えます。
果皮の色付きを観察して、収穫適期になったら片手をパッションフルーツの真下に手を広げ、もう一方の手で洗濯バサミをはずします。
手の中にポトッと落ちます。これで収穫完了です。
これまでネットを張ったり袋を被せたりというアイデアがありませんでしたので、ご相談者さんの質問を読んで「そんなやり方もあるんだな」と逆に驚いています。
以は、結実した全部に洗濯バサミを付けていたころもありましたが、今では、規格に沿って選別したうえで洗濯バサミを取り付けています。
洗濯バサミを取り付けるものは、未熟な段階でサイズや色付き、周囲の葉の茂り方などを観察して、総合的に判断しております。
その他の実は落しており、鶏卵場のように落ちているものを拾って収穫していました。
傷付いたものでも、加工をすれば十分利用は可能ですよ。