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有機栽培の米作りに緑肥を使いたい。播種前の耕起の方法は?

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有機栽培の米作りに緑肥を使いたい。播種前の耕起の方法は?

有機栽培の米づくりに取り組んでいます。毎年堆肥を調達し、撒く作業が大変なので、最近注目される緑肥のヘアリーベッチを使ってみたいと思っています。

収穫後の田んぼは土壌が乾いているので湿害は問題ないと思いますが、粘土質の土壌なので、畑のように生育できるのかが心配です。

ヘアリーベッチが生育しやすい土壌の状態にするために、播種前にどのような耕起を行ったら良いですか?
(長野県・宮下透さん/仮名・40代)

和田美由紀

雪印種苗株式会社研究開発本部

荒起こしをして種子のバラ撒きでOK。圃場の排水対策がポイントです!

ご心配されているように、ヘアリーベッチは畑作物であるため、発芽時や生育時に湿害を受けると極端に生育量が落ちてしまいます。

そのため、水田でヘアリーベッチを導入する際は排水対策を講じることが肝心となります。

冬季の長雨により水が溜まるような圃場に導入するのは難しいため、初めての年は乾田~半湿田の圃場を選んで導入してみてください。

播種にあたっては、まず稲を収穫した後に圃場を荒く起こして、水分が完全に乾ききっていない土塊がゴロゴロとしている状態を作ります。そこにヘアリーベッチの種子をバラ播きます。

すると種子は土塊の隙間に入っていき、覆土しなくても適度な土壌水分のもとで次第に発芽してきます。

生育期間中はヘアリーベッチが湿害を受けないように、播種する前後で額縁明渠を掘るか溝切りを行います。

ポイントは、溝をすべて水尻(排水口)までつなげることです。水尻とつながっていないと溝の中に水が溜まって、その箇所だけヘアリーベッチの生育が不良となります。

水が溜まりやすい圃場の場合は、5mに1本程度溝切りするとよいでしょう。

ヘアリーベッチが順調に生育して欲しいところですが、翌春に過繁茂になってしまうと稲にとって問題が生じます。

そこで初めての年は窒素過多で倒伏しやすいコシヒカリなどの品種は避け、多肥でも倒伏しにくい品種を作付けされることをお勧めいたします。

ヘアリーベッチの品種について、弊社では早晩性や耐雪性の異なるラインナップを取り揃えておりますので、ご相談ください。


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