長野県で、シャインマスカットをハウス栽培している40代です。
ハウス内の温度調整(加温)はしていません。
3年目になるシャインマスカットの木のことで、気になっていることがあります。
先日、一部の葉に異変があることに気付きました。葉の表面に、一見すると一部が枯れたように見える斑点(?)がポツポツと入っているのです。
シミのようにも見え、また、葉を光に透かして見ると、葉脈に沿って筋状に枯れたような感じにも見えます。
その斑点部分以外は葉全体も木も元気ですが、非常に心配しています。
自分で分かる範囲でいろいろ調べてみましたが、原因が確定できませんでした。
害虫などに食われてしまったか、あるいは有害な細菌感染などを疑って、取り急ぎスピードスプレーヤー(農薬散布車)を使って、近距離から農薬を散布してみました。
これからしばらくは、異変のある葉の経過を観察していくつもりですが、今後のためにも原因を突き止め、正しい対策を取りたいです。
この葉の茶枯れのような異変は、ハダニやハモグリダニなどの害虫の恐れはあるのでしょうか。
また、細菌や病害の恐れや、他の葉っぱへの感染リスクなどがあるようだったら、対策とともに教えてください。
(長野県・岡上さん/仮名・40代)
櫻井杏子
株式会社INGEN 代表取締役
マグネシウム欠乏かも。薬害や機材の劣化が原因の可能性もあります
シャインマスカットの体内で、必要な要素が不足している、あるいは過剰になっていることが疑われます。「葉脈に沿って筋状に」というのは、症状としてはおそらく苦土(マグネシウム)欠乏症ですが、亜鉛など、ほかの要素の過剰、不足の可能性も否定できません。
ブドウの葉に異変があるときは、図を参考にしてもらうと、原因特定の手掛かりになります。
マグネシウム欠乏症であるとしても、畑の状態により原因は大きく変わります。一見するとマグネシウム欠乏による症状に見えても、実はマグネシウムの量が十分で、土の中の石灰が過剰なためマグネシウムが効きにくくなっている、といったこともあるのです。
また、葉に「斑点がポツポツと入っている」とのことですが、こちらは図の要素障害とは別に、薬害が起こっているのかもしれません。3年目の木とのことですので、機材も劣化してくる時期です。まずは、詰まりなどが起こっていないか、部品は正常かなどを確認してみてください。
それから、症状が出ている葉の分布をチェックしてみましょう。薬散を葉にかけた順番と、症状の出方や葉の状態を照らし合わせると、何か手掛かりが分かるかもしれません。ご自身での判断が難しいということであれば、当社ファムサポ事業部にて個別相談も行っています。