新潟県で底引き網漁をしている60代です。漁師になって40年以上なので、ベテランだと思います。
これまで、漁の時はライフジャケットを着用しないこともありました。
しかし最近は、着用が義務化され、家族からも注意されるので、漁に出る時は着用するように徹底しています。
今は、固形式ベスト型を使っていますが、カッパを着るとゴワゴワして動きにくいし、夏場は暑く不快です。
慣れてはきましたが、水揚げの機械などに引っかかる事故も多いようなので、注意しています。
釣り番組などで、棒状の腰巻きのようなものを装着している人がいますが、胴衣型よりも動きやすそうでいいなと思っています。
どのようなものなのでしょうか?
(新潟県・吉田 さん/仮名・67歳)
武田誠一
東京海洋大学教授
理想的なものは、桜マーク付きのタイプDです。肩掛け式で自動膨張タイプもおすすめ!
ライフジャケットは、さまざまなメーカーから多様なタイプのものが販売されています。形や機能の前に重要なこととして、国の基準に合格したことを示す「桜マーク」付きで、すべての小型船舶に法定備品として搭載できる「タイプA」を選んでおけば間違いありません。
「タイプD」でも小型船舶などであれば沿岸区域などで使えますが、海域が限定されてしまうので、今回はおすすめしません。
さて、固形式ベスト型のものをご使用中とのことですが、装着感は人それぞれですね。漁師さんによっては、自分の仕事や好みに合わせ、違うタイプのものを愛用している方もいます。
「釣り番組などで見かける、棒状の腰巻きのようなもの」ということは、ベルト式やウエスト式、腰巻き式と言われるものでしょう。
水に落ちると、内蔵ボンベからガスが出て浮力体の袋が膨らむ仕組みです。ひもを引っ張って膨らませるものもありますが、水に浸かると自動的に膨らむタイプをおすすめします。
そのほか、肩掛け式、首掛け式などもあり、通常時は固形式よりかさばりません。いずれも、自動膨張するタイプをおすすめします。
膨らむ様子はインターネットで見られるので、いざというときのために見ておくとよいでしょう。もし買い替える、買い増すならば、個人的には、肩掛け式のライフジャケットがよろしいのではないかと考えます。