鳥取県大山町で野菜づくりをしています。うちの地域は真冬の寒さが堪えます。
収穫時は指先と足先が冷えて辛いので、防寒用の手袋や、靴下を何枚も重ねて履いて、長靴にカイロも入れたりして対策できますが、露地栽培なので体が冷えるとトイレが近くなるのが悩みの種。
最近では電熱線ヒーターを仕込んだベストや靴の中敷きなども販売されているようですが、ダウンや中綿入りだと着ぶくれして動きが悪くなるような気がするし、周りの農家にもそこまで厚着している人がいないので、他人の目も気になります。
農作業を妨げず、普段着でも着用可能な防寒着なんてないですか?
(鳥取県・国田聡さん/仮名・30代)
寺田克弘
防寒服プロ/寺田衣料
身体そのものを冷やさないように。服の中をドライに保つように工夫しましょう
こだわりの防寒着を専門に取り扱っている「防寒服プロ」と申します。私自身がとても寒がりなので、専門のネットショップをオープンしました。
マイナス30度、40度、60度の冷凍庫でも対応できる冷凍倉庫用の防寒着から、南極や北極など極寒地でも耐えられる防寒着を扱っていますが、今回は農作業用の防寒着に関する質問ですね。
一番外側に着る防寒着(アウター)は、住んでいる地域、気温、天候によって選び方が変わってきますので、今回は地域とは関係ない防寒の基本〜すなわち「インナー選び」についてお伝えします。
身体を冷やす原因は、服と肌の間の暖かい空気が外気により奪われてしまうことです。この結果、体温が低下してしまいます。
機能性に優れた防寒着で外気を寄せ付けないようにしましょう。まず風を通しにくく、適度に身体にフィットするインナーを選択してください。
そして、体を冷やすもうひとつの原因が、水や汗などの水分です。水は熱を奪うので、服の中をドライに保つことが重要なポイントです。
農作業中の雨、雪、水しぶきなど外部から来る水分から身を守るのであれば、防水防寒仕様の服を着ることで事足ります。
しかし、これだけで安心ではありません。内部から出る水分がとても厄介。それは、体を動かすことによって自分がかいてしまった汗です。かいた汗が乾くとき、気化熱が体温を下げてしまいます。
雨や水を中に通さない服を着ていても、汗で身体が濡れてしまうと体温が奪われてしまいます。ドライに保つためには、かいてしまった汗を外に逃がす「透湿性」という機能がある服を選びます。
おすすめの素材に、WINDSTOPPERがあります。その名の通り、優れた防風性を持ち、風による体温の低下を防ぐだけではなく、透湿性も併せ持ちます。
例えば「GORE WINDSTOPPER®︎」のインナーは、風を通さず、かいた汗を放出する機能がある透湿性があります。
この製品自体に暖かさはありませんが保湿性にも優れているため、冬の屋外での農作業でも威力を発揮し、冷えを防止する機能があります。
着こなし法としては、肌着の上にインタージャケットとインナーパンツを着用し、その上に季節、天候、気温そして体調に合わせて防寒着を重ね着することをお勧めします。