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20代だけど日々の農作業で疲れ果てています。ツボやマッサージなど疲れを取る方法が知りたい

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20代だけど日々の農作業で疲れ果てています。ツボやマッサージなど疲れを取る方法が知りたい

結婚して長野県の果樹園で働いて2年目。りんごをメインに栽培しています。収穫は9月頃からのサンつがるから始まり、その後は紅玉、シナノゴールド、王林などが1月ごろまで続きます。20代ということもあり、義父からキツイ仕事をふられることも少なくありません。

正直、農作業はとても疲れます。思っていた以上でした。私は運動が得意だったわけではなくどちらかというと文系なので、そもそもの体力が足りないのが原因だと感じています。

この生活も続けていけば、そのうち体力がつくと思っていましたが、むしろ疲労が蓄積してきている印象です。とにかく首や肩が痛くて、酷いときには頭痛で吐き気すらしてきます。

わざわざジムや整体に通う時間はありません。せめて疲れを翌日に残さないようなマッサージやツボ押しなどを教えてください。

例えば1日3分で朝昼晩にやると効果的な農家向けの肉体鍛錬メニューなどを教えていただけたら嬉しいです。
(長野県・中沢萌絵さん/仮名・20代)

じゅんじゅん(中山潤)

アスリート農家

農作業を農トレに!下半身をしっかり意識し、股関節を柔軟に

相談者さまは運動が得意だったわけではないようですね。そういった方の場合、疲れやすい動きをしている可能性が高そうです。なので、カラダを動かすコツを意識すれば、劇的に体力アップすると思います。

私が農作業や日常生活の中で必ず意識しているのが、全ての動きにおいて下半身をしっかり意識、連動させることです。


現代人は、日常生活をおくるうえでも、歩くことや階段の上り下りなどの機会が減っているので、どうしても下半身が弱ってきています。カラダのなかで大きな筋肉のある下半身を効果的に使うことによって、血流もよくなり、結果的に疲れにくくなり、ケガをしにくいカラダづくりができます。

それに加えて股関節の柔軟を作業を始める前や終わった後などに行っております。股関節を柔らかくすることで、カラダの機能がアップします。

具体的には両足を肩幅よりやや広めに広げ、お尻を膝の高さくらいまでゆっくり落としてキープします(無理せず落とせるところまで)。

もしフラフラするようでしたら肘を膝の上において安定させます。ここでしっかり股関節が広がっている感覚を意識してみてください。

体格や個人差がありますので足を広げる幅で調整します。このまま片方ずつ肩を内側に入れる動きをプラスしてもいいです。この体勢を20秒ほどキープします。

つぎに片足立ちになり、浮かせている足の膝を曲げて両手で膝を抱えて胸にギューッと近づけます。これを片方ずつ10秒ほど。

そして浮かせている足の膝を曲げて足の甲を持ち、かかとをお尻にギューッと付けます。これも両足それぞれ10秒ほど行い、太ももをしっかり伸ばします。

収穫時の写真をご覧ください。きっと大げさな動きに見えると思います。最初から常にこの動きをするのは大変ですが、時々意識をするだけでも違います。

何かをまたぐときや、しゃがむときにちょっと大股で足を広げてみてください。お尻を地面スレスレにした状態でキープすることを意識することで、草取りや種まきなどの作業が楽に行えるようになります。


あとは睡眠や食事でアスリートチャージすることも重要です。私の日常はブログでアップしています。ぜひご覧になっていただくと、刺激になると思います。

提供:中山 潤さん

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北上貴史

育英メディカル専門学校 鍼灸学科 学科長

身体の状態を観察し、要因を探りながら適切なツボ治療などを行ってみて

かなり疲れ切っている状態ですね。このまま続けていると、倒れてしまうのではないかと心配になってしまいます。

まず、東洋医学におけるツボ療法というものは、「疲れ」に対して「このツボが効く」といった単純なものではありません。悩みを持っている方の状態を総合的に観察し、原因を想像し、適切だと思えるツボなどの治療法を提案するものです。

そこで「長野県にお住いの、20代女性で、果樹園にて働いている方の、日々の作業で疲れ果てている」ことを総合的に考えますと、つぎような3つの要因が浮かび上がってきます。
1、慣れない環境で心身ともに疲れている。
2、早朝からの作業などによって現実的な睡眠時間が確保できていないか、睡眠が浅くて疲れがとれない。
3、食事が少量しか摂れない、または摂っても下痢などの原因によって吸収されていない。

この3つの要因の治療するツボは、それぞれに異なります(イラストを合わせてご紹介します)。

1の場合ですと、漢方の五臓で考えると「心」と「脾」が疲れてしまっている状態です。おすすめのツボは背中の「心兪(しんゆ)」や「脾兪(ひゆ)」、下肢の「三陰交(さんいんこう)」となります。

「心兪」付近から「脾兪」付近を親指で、患者さんが息を吐いている時に2秒間押し、吸っている時に2秒間緩めるようなリズムで指圧すると良いでしょう。

内くるぶしの頂点に小指の第2関節を当てた時に人差し指の第2関節の高さにあるのが「三陰交」で、ちょうど骨と筋肉境目の部分から、脛の骨の内側に沿って上行して母指でゆっくりと押していくのも効果的です。

膝の内側の骨にぶつかるまでが範囲です。これを3~4回繰り返します。

2の場合は、専門的には心血虚証(心神不寧)となり、頸部の「天柱」(イラスト③参照)、下肢の「足三里」(イラストなし→あった方がいいかも)が治療の候補となります。

「天柱」の場所の探し方は、まず頭を両手で挟み込んで頭蓋骨の後ろ側の骨と、筋肉のキワに両方の親指を当て、図よりも頸部を後屈させてください。指が吸い込まれていく部分があると思います。

「天柱」は骨のボコボコに中指の第2関節を当てて、人差し指の当たる部分になります。この頭蓋骨後縁は睡眠の質を上げるツボが集まっていますので、親指を耳の後ろにポッコリ出ている骨(乳様突起)の手前まで移動させていきます。これを3~4回繰り返します。

「足三里」は膝のお皿の下3寸あたりに位置しています。まず膝の下に枕などを入れ、仰向けになって膝を45°位に曲げます。指圧する手は人差し指から小指までを伸ばして第2関節を揃えておきます。

膝のお皿の下に2つ窪みができたうちの、外側の窪みに人差し指の第2関節を当て、小指の第2関節の端っこが当たる部分で、脛の骨の外側が「足三里」のツボになります。

このツボから足首に向かって、脛の骨の外側を押していきます。くるぶしの高さまで下ろしたら、また「足三里」に戻ります。これを3~4回繰り返します。

3の場合は、胃腸付近やおへそに薬指の第2関節を当て、下へ向かって人差し指の端っこが当たる高さにある「気海」のツボを刺激するのがいいでしょう。

ツボの位置から想像できると思いますが、腹部膨満感や下痢などの胃腸機能低下の改善に効果があります。長野県で果樹の生産地となると寒暖差が激しい所と予想されます。

早朝のお仕事や梅雨時は「陰」のが強まる時期ですので、「気海」のツボに使い捨てカイロを当てておくと、より効果的です。気温が上がる午後の作業中や夏季には使い捨てカイロは当てませんが、冷たい飲み物の摂り過ぎには十分注意してください。

最後に指圧の基本を紹介します。指圧というものは、ただ単に強く押せば効くというわけではありません。基本は「漸増漸減(ぜんぞうぜんげん)」と呼ばれるもので、だんだん強くしていき、ピークに達したら、だんだん緩めるというものです。この方法ですと、身体の緊張がほぐれやすくなります。

もしセルフケアで疲れが取れない場合は、専門の鍼灸院などにご相談いただけると良いと思います。

ツボの位置

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