露地栽培でピーマンを育てています。私が育てているのは夏秋用の品種で、寒冷地のため収穫は例年8月に入ってから行います。
例年、規格外のピーマンが一定数できてしまうのは仕方ないと思って栽培していますが、今年収穫したものは玉が小さいものが多く、石果のものがかなり目立ちました。
普通栽培とトンネル栽培を組み合わせていますが、石果が目立ったのは普通栽培の方です。
手入れや管理は例年通りだったので、それ以外の原因があると思うのですが、夏場の気温が例年より涼しかったからでしょうか?
次作は同じようなことにならないよう、考えられる原因と対策があれば教えてほしいです。
(長野県・木野さん/仮名・30代)
五十嵐大造
東京農業大学国際食料情報学部 国際食料情報学部(前教授)
ピーマンの石果は受粉がうまくいかない時に発生します。マルチをして地温の上昇を図ることが対策の一つ
ピーマンの石果は、受粉がうまくいかない時に生じます。開花時には気温は最低でも15℃以上は必要とされています。
石果が生じる原因の一つは温度条件が疑われます。露地とトンネル栽培で温度差はあったのでしょうか?ーご相談者さんは、長野県で栽培されているということですので温度状態がどうであったかが気になります。
トンネル栽培であっても夜間の保温はあまり期待できないでしょう。ただし日中はトンネル栽培の方が温度が上昇します。
露地栽培ですと、日中はトンネルよりも気温が低くなります。マルチをして地温の上昇を図ることは対策の一つになると思われます。
収穫した果実が小さいものが多かったとのことですが、草勢はどうだったのでしょうか?
やや小ぶりの苗を定植し、その後気温が順調に上昇しなかったために生育が遅れ気味となった中で着果期を迎えた、ということはないでしょうか?
草勢が十分でない時に早めに着果していたのなら、せっかく着果した果実なのでもう少し大きくして収穫したいという気持ちはわかりますが、早く摘果してまずは草勢の回復を第一に考えて中盤から後半にかけてしっかりと収穫をあげていくのが良いでしょう。
中盤期以降なら気温も上昇して安定した栽培ができると思います。そのためには追肥もしっかり行うことが必要です。