脱サラして数年前から日本海で刺網漁をやっています。
私は網直しが大の苦手で、多くの魚を獲ろうと網を瀬に近づけ過ぎて網を大破れさせてしまうことがあります。
そんな時は急きょ船の上で網直しをするのですが、下手すぎて泣きたくなります。
次の網を打たなければいけないので、応急処置として網をツギハギにしたいのですが、ツギハギにもなっていないような状況です。
もともと手先が器用ではないのですが、こんな状態ではプロ漁師として失格ですね。
揺れる船上で網を補修するコツみたいなものはありますか?
網針を使った網の編み込みなどの補修作業は、何度も繰り返しやってうまくなるしかないと思いますが、網直しを上達するための秘訣などがあれば、ぜひアドバイスをいただきたいです。
(鳥取県・山田翔太/仮名・30代)
馬場 治
東京海洋大学名誉教授
網修理はスピード重視で練習することで、正確さも伴ってきます
長崎県で長年にわたって刺網漁をしているベテラン漁師さんに聞いたところ、その方は、船が揺れる船上では刺網の網繕いはしないとのことです。
そもそも揺れる船の上でそうした細かい作業を行うことは難しく、揺れには慣れているようなベテラン漁師でも船酔いすることがあるそうです。
また、網の補修作業が上達するコツについては、網修理を生真面目に正確に行おうとするよりは、とにかくスピード重視で修理することを目指す方が上達は早いそうです。
そうやってスピード重視で修理しているうちに、自然と正確さも伴ってくるとのことです。
これは、おそらく正確にする方法が実は結果的に早い修理に繋がることを意味しているのではないかと思います。
漁場や対象魚種によっては帰港して修理するのではなく、現場で修理する必要があることは想像できますので、がんばってスピード重視で練習してみて下さい。