5年前に祖父母が農家を引退し、その後は私が畑を継いで、手探り状態で今までやってきました。
最初は儲けを考えるところまでいかず、祖父母が行っていた農作業をマネするだけで精一杯でしたが、2年程前から、初心者でも簡単に育てられ、単価も良いイチジクの栽培を始めました。
栽培しているのは秋果専用主(日本種)です。今年になって初めての収穫を迎えます。
丁寧に育てたイチジクを摘むのはとても楽しみですが、本を読んだり知り合いの農家さんに聞いても、収穫のタイミングがイマイチつかみきれていません。
他の野菜と同様、収穫はお客さまのところに届くころに一番いい状態にしたいのですが、実が赤くなってから収穫すると熟れ過ぎていますし、赤くなる前に収穫すると、お客さまに届くタイミングで「完熟いちじく」とは程遠い状態です。
収穫時期の見極めのコツやポイントを、詳しい方に教えていただけませんでしょうか?
(熊本県・堀亜紀さん/仮名・50代)
JA紀の里・営農センター 営農部
JA紀の里・営農センター 営農部
収穫のタイミングは色ではなく弾力がポイント。出荷のスピード感にも配慮を
いちじくは食べるタイミングが美味しさに大きく影響しますね。
非常にデリケートな果物のため、出荷~発送までに配慮すべきポイントがいくつかありますので、ご紹介します。
まずご質問の「収穫の見極めのコツ」についてですが、色ではなく弾力で完熟度を確かめることが大切です。
いちじくを手で触って耳たぶほどの弾力になっていたら、収穫のタイミングだと覚えておきましょう。
そして収穫したら即出荷。スピード感が大切です。
近隣へ出荷する場合、翌日には店頭に並ぶという場合であれば問題有りませんが、到着まで2日以上かかる場合は温度調整に注意しなくてはなりません。
いちじくは収穫後に追熟するので、冷やして配送されることが多いです。
冷やすといっても温度設定は5〜10度ほど。冷やしすぎると甘味や旨味がなくなってしまうので、夏場の暑い時期は特に注意してください。
お客さまに発送する場合は、クール宅急便がおすすめです。(ヤマトの冷蔵タイプなら0~10度と適温です)
もっとこだわるのであれば、配送は果物専用の運搬会社を選ぶと良いでしょう。
振動にも気を遣ってくれます。普通の運搬会社だと温度設定が最適でなく、扱い方によっては品物に悪影響が出てしまうことも考えられます。
ちなみに、いちじくには「夏果専用種」「秋果専用種」「兼用種」とありますが、収穫のタイミングと発送についての注意点はいずれも同じです。
今回ご紹介したポイントをぜひ試してみてください。