静岡県で地域おこし協力隊として3年ほど勉強し、念願の独立を果たして3年目となります。
現在は小さいながらも土地を借り、露地栽培で自分の好きな野菜を中心に育てています。
とくにズッキーニは友人のフレンチレストランがズッキーニのメニューに力を入れていることもあり、かなりいい単価で買ってもらっております。
1年目、2年目はかなり満足のいく出来栄えでした。
3年目も同じような方法で育てていたはずだったのですが、葉っぱに急に元気がなくなり、外側から茶色に変色してきました。
このままだと枯れてしまいそうです。
いままでの作業メモをあらためて確認すると、雨が続いたので化学肥料を追加で与えた数日後に症状が出はじめたようです。
このままだと友人のレストランにも迷惑がかかってしまいます。
原因と回復方法を教えてください。
(静岡県・村松幸弘さん/仮名・20代)
櫻井杏子
株式会社INGEN 代表取締役
ズッキーニはデリケートな作物です。だからこそ発根・活着を意識しましょう
葉っぱが外側から茶色になってきたようですが、「雨が続いた」という原因から考えると、軟腐細菌病の可能性があります。
軟腐細菌病は高温多湿時に発生しやすいですから。予防策としては、畝を高くするなど排水性の改善が必要になります。
「化学肥料を追加で与えた」という点では、「肥料焼け」が考えられます。肥料焼けとは濃すぎる肥料を与えたことが原因でしおれてしまう現象です。
液肥の場合、メーカーが指定している希釈倍率より濃く希釈したものを使ってしまったことが原因です。
置き肥や元肥の場合は、元肥を土壌混和したときに時間をおかずに苗を植えてしまったり、「根に直接触れさせてはいけない」と書いてあった置き肥や、「土壌表面施肥」とかいてある元肥を、根に触れる状態で撒いたり・置いたりしたときに起こります。さらに、追肥をし過ぎて、結果的に土壌中肥料濃度が濃くなっても起こります。
また、他の原因も検討してみることもおすすめします。
変色した苗から腐ったにおいがする、変色する前に雨が続いていた場合は「軟腐細菌病」の可能性もあります。この場合、今後の予防策として、畝を高くするなど排水性の改善が必要になります。
ズッキーニは根が浅く、デリケートな作物です。古い苗を定植したり強風が続くと、土から離れてしまったり、根が弱ってしまいがちです。発根・活着をできるだけ意識して育てていってください。
予防として、育苗から定植直後の発根・活着を意識するといい可能性もあります。
肥料焼けの場合は、なってしまうと回復がなかなか難しいことも多いですが、初期でしたら、弱ってしまった根の代わりに新しい根の成長を促して乗り切る、という方法もあります。
この場合、軟腐細菌病の予防として「発根促進」や、肥料焼け対策としてチッソ代謝を促す「活力剤」、植物ホルモン様物質が多く含まれる「海藻エキス」「竹エキス」の散布もご検討ください。