高齢の父親に代わって2年前から兼業で稲作をしています。
今年は元肥に鶏糞を使ったところ、窒素成分が効きすぎて草丈が高くなってしまい、大きな穂がついたこともあって、稲が転んでしまっています。
これまでも何度か倒伏した稲をコンバインで刈り取ったことはありますが、こぎ深さ(脱穀部に入る藁の長さ)を深くしすぎて、稲が詰まることを何度も繰り返してしまいます。
効率が悪いうえに、農機屋さんを呼んだりするので、時間も修理代もかかってしまいます。
今年は例年以上に倒伏が激しかったので、刈り取り作業が大変でした。倒れた稲を上手に刈り取るコンバイン操作のコツを教えてください。
(三重県・水谷伸二さん/仮名・50代)
佐々木茂安
日本のお米をおいしくしたい。佐々木農業研究会代表/農業経営技術コンサルタント
コンバインの操作は「速度を落としてゆっくり刈る」が大前提です
一時を争う稲刈りの時期で、しかも稲が倒伏しているのであればすぐにでも刈り取りたいという思いで、かえって気が急いてしまうところですよね。
籾が濡れていると詰まりやすくなります。稲が倒伏している圃場は、やや乾燥した昼過ぎの時間帯に行う方が良いでしょう。
このことを心に留めていただいたうえで、今回のご質問の場合は、草丈が高いとのことなので、少しこぎ深さを浅めにしていただくか、倒伏を軽減する別売の「デバイダー(アタッチメント)」を用意することも検討してみてはいかがでしょうか?
刈り取りは、稲が倒れている方向に対し、できるだけ直角に入ると藁がすくいやすいです。
次に、倒れている稲と同方向に刈る場合は、稲がコンバインの向こう側に倒れている、株元がコンバイン側にあると刈りやすいです。
この刈り方向を考えると、刈りやすくなります。
また、倒伏していると登熟のバラツキがあり、一方で籾の水分が落ちにくい利点があるので、慌てて収穫しなくても良いケースがあります。
コンバインが詰まるのは、籾水分が高い事も原因となります。
籾水分が落ちていること、あるいはもみの色から登熟していることを確認し、品種ごとの脱粒特性も考えて収穫時期を判断しましょう。