コロナ禍をきっかけに、地元の神奈川県で小さいながら畑を持ち、元気な野菜を作ることを考えて無農薬栽培しています。
就農5年目で、栽培した旬の野菜を、主に通販で販売しています。
枝豆は自慢の品物のひとつで、リピーターさんの予約だけで毎年完売します。
お客様から味などや気づいたことなど、ご意見をもらっているのですが、今年はお客様から「サヤの中に小さな虫がいた」というクレームが数件ありました。
お恥ずかしいことですが、私も油断して見逃したまま送ったのが失敗でした。
枝豆は、4〜5月に播種し、収穫時期は7〜8月です。
カメムシ対策として防虫ネットは早いタイミングからしていましたが、先輩から「葉が茂りすぎたから虫が生息しやすくなったんじゃないか?」と言われました。
たしかに防虫ネットが葉でパンパンになった状態のまま育てていました。
そのため、防虫ネットのすき間から虫が入った可能性があります。
来年は防虫ネットのサイズを大きくする方法もありますが、できるならば枝豆の収穫量を減らさずに生い茂ることを抑制させたいと考えています。
いい方法があれば、教えてください。
(神奈川県・鈴木さん/仮名・30代)
鈴木雅智
ブロ雅農園
葉が茂りすぎなのは窒素過剰の可能性があるので土壌診断をしてみるのもオススメです
こんにちは。神奈川県三浦半島で100品種ほどの多品目栽培をしているブロ雅農園の鈴木です。100種類中のうち半数ほどの野菜は「栽培期間中農薬不使用(いわゆる無農薬)」で栽培しています。何か参考になれば嬉しいです。
▼防虫ネットはしているのだが、お客さまから「枝豆のサヤの中に小さな虫がいた」というクレームが数件あった。
私が栽培期間中農薬不使用(無農薬)で正直、エダマメは一番やりたくない野菜のグルーブです。人気はあるのですが、虫がすぐによりつくので難易度はかなり高いと思っています。
私が販売する場合、やはり虫がさやの中にいるというのは一番怖いクレームになり、葉付きや枝付きでの販売はリスクが高すぎるので基本的には、「サヤのみを売る」のを推奨します。
ただエダマメのサヤに小さな虫がいる場合は、芋虫タイプの害虫がほとんどだと思います。その場合は、食害が見られるはずなので、手間さえ惜しまなければ、比較的気づきやすいと思います。
非常に面倒ですが、一つずつ確認して袋詰めする方法しかありません。農薬を使わず、この手のクレームを避けるには検品の精度を高めるしか基本的な対応はないと思います。
また、保険的に「検品はしておりますが、栽培期間中農薬不使用の為、まれに見落としている場合があります。
ご理解お願いします。」など、注意喚起のような紙を一枚置くのも効果はあると思います。
私の友人のエダマメ専門農家は「検品はしておりますが、まれに見落としている場合があります。〇グラム多めに入れてあります。
それ以上のエダマメに問題があった場合は、返金、交換対応させていただきます。」などという対応をしているようで、その結果クレームはぐっと減ったということでした。
防虫ネットの使用についてですが、寒冷紗や防虫ネットには網の細かさもありますのでより細かいものを使用したり、不織布も利用するなど工夫するとより効果あるかもしれません。
また、防虫ネットを外している時間も重要ですから極力開ける時間を短くし、開ける範囲を狭くするというのも効果あります。防虫ネットにすき間があれば害虫は入って決ますから、すき間がないようにすることも大切です。
▼先輩農家に相談したところ、「葉が茂りすぎたから虫が生息しやすくなったんじゃないか?」と指摘された。
▼栽培しているのは「スズナリ」で、かなり生い茂った状態で育てていた。
相談の文からだけだと判断できませんが、「葉が茂りすぎか」という文があるということは、肥料分(堆肥を含め)は投入していると想像しています。
葉が茂りすぎの場合、そのほとんどの理由は「窒素過剰」です。窒素が多くなると害虫は寄ってきますから、窒素の施肥には気を付けなればいけません。ちなみに土壌診断はしていますか?
無農薬でやる場合は、土のバランスが何より重要ですから数値化すると非常に管理しやすくなります。土壌は「化学性」「物理性」「生物性」の三要素が重要です。
農薬を使用していないということですから、物理性と生物性が問題ないようでしたら、化学性を見直すことが何より効果的だと思います。
そのためには目では見られない部分を科学的に数値化することをお勧めします。
また、できる対策として、葉が茂りすぎということは、風通しもよくないことも考えられます。
そのためには、畝間、株間を今より広くとるということができれば理想的ですね。
無農薬栽培ということなら、コンパニオンプランツを同時に栽培するという方法も一つです。
エダマメと相性がよいのはトウモロコシ・レタス・ニンジンなどは害虫の忌避効果もあると言われています。
また、ハーブなどは、鉢植え推奨ですが、ミントもエダマメによりつく害虫を寄せ付けない効果があると言われていますので試験的に、鉢物を置いてみてもいいかもしれませんね。
ただし、畑にミントの地植えだけは絶対にしないようにご注意してください。