群馬県の山間にある約5反のぶどう園で、乗用タイプの農薬散布機を使って農薬を散布しています。
「農薬」という言葉に拒否感を持つ人もいるようなので、うちの農園では例えば10アール当たり300リットル散布が標準のものを、3分の1の量の10アール当たり100リットル散布にしているのですが、それでも1回につき500リットルもの農薬を調合する必要があります。
うちで使っている農薬散布機のタンク容量は500リットルで、余らせると噴霧ノズルの詰まりにもつながりやすいため、毎回、ちょうどタンク一杯に作って使い切るようにしているのですが、タンクの中で大量の農薬を作るのがとても大変です。
泡立ちにくい液体状の原液であれば、まず農薬をタンクに投入して、濃度を割り出してから、大量の水を加えていくため、けっこう均一に混ぜることができます。
しかし、泡立ちやすいものの場合は、大量の水を入れてから底のほうまでかくはん棒でグルグルとかき混ぜる必要があります。
この作業が、体力的にツライことはもちろんですが、きちんとかき回せているのかどうかもわかりません。
このように、希釈した農薬を大量に作らなければならない場合、手間をかけず、確実に攪拌(かくはん)する方法はあるのでしょうか?
(群馬県・久保さん/仮名・60代)
松淵定之
農薬工業会 安全広報部
攪拌機付きのストレーナーを使うのもおすすめです
相談者さんが使用している機械の仕様まではわかりませんが、通常、農薬散布機には攪拌機能が付いていますので、一度ご確認ください。
不明な場合には、購入先やメーカー様に確認していただくのが一番確実かと思います。
そのうえでできることとして、固体や粒状の薬剤を使用する場合は、タンクに直接薬剤を入れるのではなく、バケツなどで薬剤と水を一度なじませて、ダマを残さないようにしてからタンクに入れると混ざりやすいでしょう。
ほかにも、異物の混入を防ぐ「ストレーナー」の中には攪拌機付きのものもありますので、そちらを使用するのもよいのではないでしょうか。