酪農をしている広島県の畜産農家です。
牛舎の裏にある雑木林を切り拓いて、育成牛もしくは乾乳期の牛の放牧地を整備しようか検討しています。
放牧をしている先輩方から「小さい木を斜めに切ったら、牛の足に刺さって大ケガさせた」「野犬が入り込んで牛がケガした」「毒草を食べて血尿を出した」などのトラブルもよく聞きます。
放牧で牛にケガや病気をさせないように、放牧を失敗しないための注意点を教えてください。
(広島県・下岡美枝さん/仮名・30代)
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加藤武市
加藤技術士事務所
放牧は、放牧地を整備・管理し、牛が環境に慣れるための準備をしましょう
飼料の価格が高騰し、農家の経営を直撃している現在、経営コストを下げるために、工夫を凝らすことが必要です。
牛舎の裏の雑木林を開墾して、牛のライフサイクルのうち育成期や乾乳期に放牧場を導入することは、その対策のひとつとなります。
放牧については、『遊休農地 放牧マニュアル-第3版-平成21年2月 岡山県総合畜産センター』に詳細が載っていますので、ぜひダウンロードしてみてください。
1、放牧のメリット
<育成牛の放牧>
放牧育成でも、牛舎で育成する標準発育と同程度の生育ができます。また、除糞作業などの労力負担が軽減されるとともに、放牧草の利用により飼料費の低減が期待されます。
2カ月齢から放牧する際は、寒冷ストレスを受けない場所や、風雨等を回避して補助飼料を給与できる場所を確保しましょう。
また、牛舎周辺の目の届きやすい場所での放牧が望ましいです。
乳用牛の育成を担う組織として公共牧場が各地にありますが、ご相談者が営農している広島県には現在はないようです。自らで育成牛を放牧する方法を検討してみましょう。
<乾乳牛の放牧>
乾乳期放牧により運動負荷の効果が認められ、特に乾乳後期の乾物摂取量が多くなる傾向がみられます。これにより乾乳期の体重変動は、放牧の方が舎飼繋留に比べ変動が少なくなります(ただし、分娩後の産乳成績に差は認められていないようです)。
また、放牧により乾乳期の代謝、分娩後の乾物摂取量の確保も見込めることから、周産期疾病の発生を防ぐ効果があります。
2、放牧地の整備
<放牧する土地>
まずは牛舎近くの自己所有地から放牧をはじめ、さらに拡大する場合は、周辺の遊休農地を利用しましょう。
遊休農地は水田、畑、果樹園などの耕作されなくなった農地のことで、多くは野草やクズなどの植物に覆われた状態になっています。
遊休農地に放牧すると、牛が雑草を食べ、荒地から元の農地の姿に戻るというメリットがあります。
<飲み水の確保>
乾乳牛は放牧期間中、1日当たり最大で40リットル/頭(8月)の水を飲みます。
灌漑用水や水道施設がある場合は、水槽、ウォーターカップなどを繋ぐことで簡単に利用できます。
沢水については、上流で動物に有害な農薬等を使用していなければ利用できるでしょう。
しかし水源の無い場所では、運搬の必要があります。この場合、放牧する場所へ軽トラックなど運搬車が入る道がついていることが条件となります。
<電気牧柵の設置>
電気牧柵は、電牧線に電流がパルス状に流れていて、牛が触ると体の中を電流が流れ電気ショックを受ける仕組みになっています。
電牧線に触ると瞬間的に痛みがあるため、牛はこれを嫌い電牧線に近づかなくなります。
従来の恒久柵が物理的に牛の脱柵を防ぐことに対し、牛の心理面から脱柵を防ぐ仕組みです
電気牧柵は従来の有刺鉄線の牧柵に比べ、軽量で簡単に設置ができ、また、撤収も容易にできます。
電牧線に草があたると漏電の原因となりますので、放牧する際は周囲の草を約1メートル幅で刈り払い、電気牧柵を設置しましょう。
3、放牧地の管理
<注意が必要な野草>
野草の種類には、牛が食べると中毒になるものや、死んでしまうものがあります。有害な植物が大部分を占める放牧地は避けるようにしましょう。
また、放牧している牛は、食べる草があれば有害な草や植物を食べることはありませんが、食べる草が無くなると有害なものも食べることがあるので、注意が必要です。
・牛が食べれる野草
タケ、ススキ、カラスノエンドウ クズ 、シバ 、セイタカアワダチソウ、シバ 、エノコログサ、ヨモギ、ツユクサなど
・牛にとって有害な野草
アセビ、ツゲ 、モロヘイヤ、ヤマゴボウ、ユズリハ チョウセンアサガオ、シキミ、ワラビ 、カタバミなど
放牧で野草がなくなった後は、地域に合わせた草種を栽培して、収量・品質を確保し、安定した放牧経営を実現しましょう。
<放牧期間の目安>
遊休農地での放牧は草種、草丈により放牧期間が変わります。成牛1頭が1日に食べる草の量の目安は体重の約10%程度です。
10aあたり2頭放牧すると7~14日間程度となります。糞や尿で汚れたところは食べません。
食べる草の量が少ないと、電牧線から頭を出して外の草を食べるなどし、脱柵の恐れがあります。
また、長期間放牧をしたままにすると土地の泥濘化の問題と、糞尿による環境問題の原因となってしまいます。
草の状態をよく観察し、過放牧に注意しましょう。
4、放牧地での牛の管理
<牛の準備>
牛舎で飼われて放牧の経験がない牛はいきなり放牧しても草を上手に食べません。放牧前に、屋外環境に慣らしておきましょう。
・青草を食べる練習
刈り取った青草を与え、徐々に切り替え、青草に慣らします。
・ 群れと屋外環境に慣らす
牛舎の側に足場パイプとクランプを使い四方を囲った簡単な運動場を作ります。他の放牧する牛と一緒に入れてやり、群れと屋外環境に慣らしましょう。
また、放牧に出す前に牛舎の周りの草のあるところに繋いで草を食べる練習をさせましょう。
・電気牧柵を学習する
牛舎の運動場に電気牧柵を短く張って学習させます。電牧線にジュースの空き缶やアルミホイルを短冊にしたものをつけると早く覚えます。無理矢理は行わず、自ら体得させるようにします。
・徐々に慣らす
放牧は2頭以上で放牧します。最初は昼間のみの放牧とし、慣れてきたら昼夜放牧にしましょう。
放牧経験1年目の牛は少しずつ慣れてきますが、食べる量が少なく、やせてくることが多いです。放牧時の牛の状態に注意し、急激に痩せる場合は一度牛舎に戻しましょう。
<繁殖管理>
放牧場の繁殖管理で最も重要なことは発情発見です。
雌牛同士で互いに乗りあう行動(マウンティング)などにより確認できますが、補助的な方法 としてヒートマウントディテクターなどのマーキング(牛が乗りあうことで、赤色に変色する)の手法があります。
また、「イージーブリード(CIDR)」といって、雌牛の発情周期を安全に揃える処置(腟内留置型黄体ホルモン製剤)を行うことで、発情のタイミングをコントロールすることができ、発情発見のための労働力軽減が可能です。
<放牧地における牛の捕獲方法>
放牧場での牛の捕獲には、移動式スタンチョンが便利です。3連のセルフロックスタンチョンを用いて足場鋼管で自立させます。給餌の際にそこで餌を与えることで牛が自ら入るようになります。
放牧場の一角にスタンチョンを設置しておくと健康状態の観察、予防接種や人工授精の際便利です。
<放牧時の牛の健康管理>
放牧中は必ず1日に1度は牛の観察をしましょう。
放牧することで、ダニによる小型ピロプラズマ病感染や、色々な寄生虫に感染する危険があります。ダニや寄生虫予防のための薬を投与しましょう。
・内部寄生虫
イベルメクチン製剤を1~3カ月に1度使用
・外部寄生虫(ダニ)
ピレスロイド系外部寄生虫駆除剤を1カ月に1度使用
薬品は、動物用医薬品のため、獣医師の指示が必要です。家畜共済の獣医師や農協に相談して下さい。
また、予防接種をしましょう。特に夏場の放牧では、牛に大きな被害を与える病気があります。
蚊やヌカカが媒介する病気として、アカバネ病、アイノウイルス感染症、チュウザン病などの胎児の奇形や流死産を引き起こすものや、牛流行熱・イバラキ病などの病気を引き起こすものがあります。
これらの予防のため、春の蚊やヌカカの出る前に、牛流行熱・イバラキ病混合不活化ワクチン、牛異常産3種(もしくは4種)混合ワクチンを接種します。これらの予防接種は県畜産協会に問い合わせて下さい。
また、窒素が多く繊維の少ないマメ科の牧草(クローバ、アルファルファなど)が多いと鼓腸症になりやすいです。お腹が異常に膨れていないか確認しましょう。
<そのほかの管理>
牛の健康観察以外に、問題なく放牧できているか1日1回は放牧場を確認しましょう。
・放牧牛が脱柵していないか
・電牧線の電気が流れているか、草や牧柱にあたり漏電していないか
・水を飲んでいるか
・牛が食べる草があるか
・鉱塩があるか
・牛がいつもと違う動きをしていないか
などです。
万が一牛が脱柵して周辺農地へ入り込み作物に被害を与えたり、道路に飛び出して車や人的な被害が発生した場合に備えて、民間の損害賠償責任保険(放牧保険)への加入も検討しましょう。
5、放牧技術の可能性
私が勤務していた福井県畜産試験場では、肉用繁殖牛のリハビリ放牧技術という取り組みがあります。県のブランド和牛「若狭牛」の肉用繁殖牛の例です。
農家の牛舎で妊娠できずにいる雌牛を預かり、4月から12月にわたって放牧する取り組みを10年間行っています。
放牧牛の妊娠率は50~70%です。放牧することで、適度に運動し、新鮮で栄養価の高い青草を食べるため、農家の牛舎にいるときよりも妊娠しやすくなるという結果が得られています。
リハビリ放牧の技術を普及させることで、長期不受胎による経営者の経済的負担の軽減へとつながるものと思っています。