千葉県内で米作りをしている60代です。
身内で食べたり、おすそ分けしたりする分として、野菜もいろいろと作り続けてきました。
その野菜作りの規模を少し広げ、去年敷地内に簡単な無人販売所をつくりました。
その結果、不定期ながらも売れ行きがよく「新鮮で味もいい」とお褒めの言葉もいただいています。
ある時、お客さまから「消費税がかからないからお得だよね」と言われ、それもそうだなと思いました。
ちなみに、価格設定は100円、200円、300円の3パターンで、よくある料金箱を設置して代金を入れてもらう仕組みです。
ご指摘を受けるまで気にもしていなかったのですが、消費税の扱いはどのようになっているのでしょうか。
家族は「個人でやっているし売り上げだってわずかだから気にしなくてもよいのでは…」と言っています。
しかし、納税の必要があるのでしょうか?必要な場合、消費税は8%なのか10%なのかも教えてください。
(千葉県・山田さん/仮名・65歳)
福島宏和
福島宏和税理士事務所所長/ふくオフィス合同会社社長
野菜は軽減税率の対象で消費税は8%。しかし、インボイス制度の導入には注意を
消費税とは、ものやサービスの提供などの取引について広く公平に課される税です。農業者などの事業者は、商品価格に上乗せする形で消費税を消費者から預かり、後で国に納めます。
質問者様が個人事業主の場合、2年前の売上が1,000万円以下でしたら、今年は消費税を納める必要はありません。
したがって、「商品価格に消費税は含まれていない」と考えることができます。一方、2年前の売上が1,000万円以上なら、今年は消費税を計算して納付する義務があります。この場合、「商品は消費税8%を含めて販売している」ことになります。
税率については、野菜は食べ物であり、軽減税率が適用され消費税は8%となります。食べられないものを売る場合は、消費税は10%となります。
なお、この回答は、令和3年6月現在の法律・規定に基づいています。2023年には「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」が始まります。
「適格請求書」とは「売手つまり事業者が、買手に対し、正確な税率や税額などを伝えるための手段」で、一定の事項が記載された請求書や納品書などのことです。
つまり、「インボイス制度」とは、売手が買手に対して正確な税率や税額などを伝える制度です。具体的には、消費税率10%と軽減税率8%の商品を区別し、請求書に消費税率や税額などを記さないと控除が受けられなくなります。
「適格請求書」は事業者のみが発行できるものですが、一度登録すると売上高が 1,000 万円以下となっても免税事業者にはなりません。
消費税についての詳しい情報は、国税庁のWebサイトをご覧ください。