鳥取県の西部で、夏まき栽培のブロッコリー農家をしています。
私の圃場がある地域には他にもたくさんブロッコリー農家がいて、他の農家さんは「健康にいい」というイメージで販売しているようです。
しかし、私は甘味が感じられる美味しいブロッコリーを作ることにこだわっています。
よその農家さんと差別化して、大阪などの都市圏に売りたいと思っているのですが、売る際にどう差別化すべきか、何かアドバイスをいただけないでしょうか。
(鳥取県・飯田聡さん/仮名・30代)
鳥取県の西部で、夏まき栽培のブロッコリー農家をしています。
私の圃場がある地域には他にもたくさんブロッコリー農家がいて、他の農家さんは「健康にいい」というイメージで販売しているようです。
しかし、私は甘味が感じられる美味しいブロッコリーを作ることにこだわっています。
よその農家さんと差別化して、大阪などの都市圏に売りたいと思っているのですが、売る際にどう差別化すべきか、何かアドバイスをいただけないでしょうか。
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仲野真人
株式会社食農夢創 代表取締役
「誰に販売したいか?」の分析と自らをブランディングして、両輪で試行錯誤しましょう
ブロッコリーに限らず、農産物をどう差別化するかは喫緊の課題ですよね。特に産地であれば供給量が多いぶん、産地ブランドとして知名度は広がっても単価としては高くなりづらい面もあります。
最近では「野菜=健康に良い」というイメージが定着しており、特にブロッコリーが健康に良いという差別化はかなり難しくなっています。
差別化する要因としてはいくつかありますが、そもそもはまず質問者さまが「誰に販売したいか?」を明確にすることが重要だと思います。
これは「STP分析」と言いまして「S=セグメンテーション(区分け)」「T=ターゲティング(標的)」「P=ポジショニング(位置づけ)」という3つの作業を行います。
まず「セグメンテーション」とはマーケット(市場)をセグメントする、つまり「細分化」することでどこ向けに売るのかを考えます。地元なのか県外なのか、高価格向けなのか低価格向けなのかなど。
その上で「ターゲティング」、つまり細分化したマーケットからどの分野・顧客を狙うかを決めます。
このときには具体的な顧客像(年齢・性別・住まい・年収・趣味など)まで決めると、より明確化できると思います。
最後に「ポジショニング」つまり、ターゲット向けの競合との立ち位置(ポジション)を決める、という流れになります。
この「STP分析」をし、販売したい顧客像が興味を持ちそうな「ネーミング」「デザイン」「パッケージ」などを決めていくことで差別化していきます。
ただ一回行って成功することはほとんどないので、常に試行錯誤しながら改良していくことが重要だと思います。
最後に、もう一つ差別化する方法をご紹介します。
それは「生産者自身をブランディングすること」です。
質問者さまが自分自身や栽培風景、地域の魅力、ブロッコリーの魅力&レシピなどをSNSなどで発信しながら、消費者をファンにしていくことで、それを読んだ人に「この出品者から買いたい」と思ってもらえれば一番の差別化になりますよね。
どちらにしても、差別化は一朝一夕でできるものではありません。
質問者さまが「誰に売りたいか?」をイメージして「その人に届けられる販売先はどこか」など具体的にイメージしていくことをされてみてはいかがでしょうか?